児童発達支援管理責任者の要件(最新版)について書いています。
児発管の要件は、他サイトでも紹介されていますが、内容が難解、さらに情報も古い。
この記事では「児発管になるには?」の質問にお応えします。
記事を書く私は、コンサルタントとして20年のキャリア、今は介護福祉関係の会社で役員をしています。
児発管の現場で働く者の視点から、分かりやすくお伝えします。
児童発達支援管理責任者(児発管)になるには?
児発管になるには、
実務経験と研修受講
上の2点が必要です。
児発管になるまでに、4ステップ。

①実務経験をクリア
②基礎研修を受講
③児発管見習いとして実務経験(OJT)
④実践研修を受講
以上で、晴れて児発管です。
それぞれ、どのようなものか見て参りましょう。
①児童発達支援管理責任者(児発管)に必要な実務経験
実務経験をクリアする5つのルートは以下の通り。
ルート1:相談支援の業務を通算5年以上
ルート2:保育士等の資格を持って直接支援の業務を通算5年以上
ルート3:ルート1と2を合算で5年以上
ルート4:無資格で直接支援の業務を通算8年以上
ルート5:看護師等の資格を持ち資格業務を5年以上(うち3年は無資格も可)
ルート1:「相談支援の業務」を通算5年以上
障害を持つ方や家族の相談を受ける、相談支援業務に5年以上従事すれば、児童発達支援管理責任者の実務経験はクリアします。
ただし5年のうち3年以上は、児童または障がい者に対する相談支援業務である事が必要です。

■実務経験が通算される施設・事業等
相談支援事業、相談施設、福祉施設、就労支援施設、教育機関、医療機関
ルート2:資格を持って「直接支援の業務」を通算5年以上
資格を持って、障がい者施設や福祉施設で直接業務に5年以上従事すれば、実務用件はクリアします。
ただし、うち3年以上は、児童または障がい者に対する業務である事が必要です。

■実務経験が通算される施設・事業等
福祉事業、福祉施設、障がい者雇用施設、教育機関、医療機関
分かりにくいですが、保育所や幼稚園も上記に含まれます。
■実務経験に通算される資格
保育士、児童指導員任用資格、社会福祉主事任用資格、精神障害者社会復帰施設指導員任用資格、介護職員初任者研修以上
ルート3:ルート1と2の合算で5年以上
「相談支援業務3年+直接支援業務2年」、「相談支援業務1年+直接支援業務4年」等、業務を通算して5年以上であれば、児発管の実務要件をクリアしています。
ただし、うち3年以上は、児童または障がい者に対する業務である事が必要です。
ルート4:無資格で直接支援の業務を通算8年以上
「ルート2」で示した資格を持っていなくても、障がい者施設や福祉施設で直接業務に8年以上従事すれば、実務用件はクリアします。
ただし、うち3年以上は、児童または障がい者に対する業務である事が必要です。
ルート5:看護師等の資格を持って資格業務を5年以上
看護師等の国家資格を持ち、資格業務(例:看護業務)に5年以上従事した人も、児発管の実務要件をクリアしています。
ただし、うち3年は先に紹介した相談支援業務や直接支援業務でもOK。
とはいえ、このルートからの児発管は少ないのではないかと。
【国家資格】
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士
皆さんの実務経験は、児発管の要件をクリアしていますか?
児発管になるには、実務経験を証明する必要があります。
就業していた事業所や施設、学校などで実務経験証明書を記載してもらう事が、将来的には必要になります。
②基礎研修の受講
基礎研修とは
次ステップは基礎研修の受講です。
基礎研修は、サービス管理責任者向けと合同開催です。
県により若干の違いはあるものの、カリキュラムは「講義」と「演習」に分かれます。
コロナの影響により、「講義」部分はオンライン授業や動画配信による個別学習等、非対面で開催されるようです。
一方「演習」部分は、幾つかのグループに分かれ、対面で開催されるケースが多いようです。(県により違います)
基礎研修の開催スケジュール
都道府県毎に年1~3回程度の開催。
基礎研修は春から夏にかけて開催する県が多く、気付いた時には締め切りとなっているので、早めのチェックが必要です。
関東、関西、東海の2022年度基礎研修開催スケジュールを、それぞれまとめましたので、確認してください。
基礎研修の対象者
基礎研修は児発管の実務経験をクリアする前から、受講することができます。
それぞれ、次の経験年数を経ればOKです。
業務 | 受講に必要な実務経験 |
相談支援業務 | 3年 |
保育士等の資格が無い直接支援業務 | 6年 |
保育士等の資格を持った直接支援業務 | 3年 |
国家資格業務に通算5年以上の者による相談・直接支援業務 | 1年 |
基礎研修の申し込み
申込方法は県により若干の違いがありますが、およそ以下のものが必要です。
・申込書
・法人推薦書
・実務経験申告書
傾向として、勤務する事業所の推薦書を求めるケースが多いようです。
実務経験は自己申告でOKですが、具体的に細かく明記する必要があります。ただし、児発管として勤務する場合に、自己申告でない実務経験証明書が求められます。
申込期間は短いです。気付いた時には終了とならぬよう、早めにチェックです。
③児発管見習いとして実務経験(OJT)
2人目の児発管
基礎研修の修了者は、児発管見習いとして、現場で実務経験を積むことになります。
具体的には、すでに児童発達支援管理責任者が1名配置されている事業所に限り、2人目の児童発達支援管理責任者として配置可能です。
2人目の児童発達支援管理責任者は、個別支援計画原案の作成業務の従事が可能です。
ただし、1人目の児童発達支援管理責任者については、専従かつ常勤でなければなりません。
【経過措置】
平成31年~令和3年に基礎研修を修了した人は、実務要件をクリアしていれば、OJTと実践研修を完了しなくても、児童発達支援管理責任者(1人目)としての配置が可能です。
児童発達支援管理責任者として従事しつつ、実践研修を受講する措置となっています。
OJTのための転職
児発管としてOJTを積むには、児童発達支援や放課後等デイサービス等の障害児通所支援事業等へ転職し、2人目の児発管として配置される事になります。
児発管、あるいは児発管候補の仕事は求人サイトから探すことが出来ます。
一般の求人サイトからでも見つけることは出来ますが、保育士向け転職サイトの方が、掲載数は多いようです。
保育系転職サイトの中では、「ジョブメドレー」が一番のおすすめ。
ジョブメドレーは医療・介護・保育分野に特化した求人を展開するメドレーが提供する、求人案件数日本最大級の保育士専門サイトです。
全国の求人情報が掲載され、かつ児発管の求人情報が豊富。
ジョブメドレーで検索すると、全国で3000件を超える児発管の求人がありました。(令和4年5月時点)
これはダントツの求人数。
ジョブメドレーに登録しておけば、日本中の児発管の求人をカバーできるのではないでしょうか。
登録すると、お住まいの近くの児発管や児発管候補の求人情報や新着メール、スカウトメールが届きます。
転職エージェントにありがちな、面倒な電話もかかってこないので、おすすめですよ。

④実践研修の受講
実践研修とは
最後のステップは実践研修の受講です。
実践研修は、児童発達支援管理責任者業務を実践するため、サービス提供、管理、事業所の運営、スタッフへの助言・指導等について実施されます。
県により若干の違いはあるものの、こちらも基礎研修と同様にカリキュラムは「講義」と「演習」に分かれます。
基礎研修の開催スケジュール
都道府県毎に年1~2回程度の開催。
実践研修は基礎研修と比べて回数が少ないため、早めのチェックを心掛けてください。
関東、関西、東海の2022年度実践研修開催スケジュールを、それぞれまとめましたので、確認してください。
実践研修の対象者
実践研修は、基礎研修修了後に、2人目の児発管として2年間(360日)の実務経験を経た方が対象です。
実践研修の申し込み
申込方法は県により若干の違いがありますが、およそ以下のものが必要です。
・申込書
・基礎研修修了書の写し
・実務経験証明書(自己申告不可、法人代表の証明が必要)
勤務する法人からの申し込みが基本となります。
実践研修受講後に、修了証書が交付され、晴れて児発管(1人目)としての配置が可能となります。
児発管従事後も、5年に一度の更新研修を受講しつつ、技術と知識のレベルアップを進めていきます。
以上、児童発達支援管理責任者の要件について、コンパクトにまとめてみました。