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仕事研究

50代からの4つの“食える資格”

この記事では、50代から勉強を始めても取得可能で、かつ転職や独立に有利な“食える(仕事のある)資格”をピックアップしてみました。

この記事を書いている私は、人事コンサルタントとして20年以上のキャリア、今は事業会社で役員をしています。様々な業界の人事や採用に携わってきましたので、それぞれの資格が転職の場面、さらには実務でどのように役立つか知り得る立場です。

それではさっそく書いてまいりましょう。

 

50代の食える資格の条件

条件は次の4つをあげておきたいと思います

・実務に活かせる
・学習500時間以内
・コロナの時代に求人がある
・社会経験が活かせる

実務に活かせる

これが大前提です。そもそも実務に活かせない、活かしにくい資格なら、いまからわざわざ取る必要はないでしょう。やっかいなのは、ネットを見ると、どんな資格にも「転職に有利」「独立も可能」とバラ色の文字が躍っていること。社会経験の長い皆さんなら、そんな甘い話はないと分かりますね。

学習500時間以内

率直に申し上げて、残りの仕事人生が長い訳ではありません。資格取得までに2年も3年もという余裕はないはずです。1年以内に資格が取れること、そのために必要な勉強時間は500時間以内と言われるものを集めました。

求人がある、あるいは独立開業可能

そもそも仕事がないなら、資格をとる意味がありません。求人の絶対数が少ないのも避けるのが賢明ですし、今後のセカンドキャリアを見据え、独立開業の可能性を持つものとしましょう。

社会経験が活きる

資格の対策は丸暗記と言われます。これは記憶力が低下している50代にはキツイ。でも丸暗記の傾向が強いのは間違いないのですが、長い社会経験の中で自然と身に付いた知識や習慣が案外試験範囲の中に多く含まれていたりもします。
20代の頃には分からなかったものが、いま見返せば普通に理解できる、そんな資格を選びましょう。

この4つの条件に当てはまる資格を、私の経験の中でピックアップしました。

 

50代の食える4つの資格

先の4つの条件をクリアする、私がおすすめしたい資格は次の4つです。

・宅建士
・マンション管理士
・福祉住環境コーディネーター
・介護福祉士

それぞれの内容、おすすめした理由、転職の際のポイントについてはのちほど。

 

50代では食えないと考える資格

逆に食えない(仕事がない)資格として、次のようなものがあげられます。

・中小企業診断士
・社労士
・ファイナンシャルプランナー
・産業カウンセラーetc

いずれも資格で仕事をするというより、本人の経験やスキルがものを言う仕事です。採用でも資格の有無はあまり考慮されないでしょう。
ただしこれまでのキャリアとセットにできるなら話は別です。例えば大手企業の人事部門の管理職が社労士の資格をとって社労士事務所へ転職するとか。
また自己啓発まで否定する訳ではないので、あくまで食えないという事です。

 

おすすめ資格① 宅建士

宅建士とは

宅建は不動産取引の専門家です。
毎年20万人前後の人が受験する最大規模の国家資格です。
不動産取引なんてマニアックな分野でも人気な理由は、誰でも手軽に受験できて合格率も約15%と高めなこと。

リタイアした会社員から主婦、学生、銀行員など直接的には不動産取引とは関係の無い人まで、幅広い人が受験するからです。

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宅建士の仕事とは

不動産取引とは、土地・建物の売買、交換、賃借を行うこと。
土地や建物の取引には、複雑な法律が関わっていたり、扱う金額が大きいものであったりするので、取引をする双方(売り手や買い手)が不利益を被らないよう、専門知識をもって正しく説明する、「重要事項説明」をするのが仕事です。

重要事項説明は宅建士だけが許される行為であり、このような資格を業務独占資格と呼ばれています。

 

宅建士の就職先

宅建資格が役立つ業界としては、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産コンサル会社、建設会社やマンションデベロッパー、金融機関、店舗や施設を展開する事業など幅広いです。
ただ50代からの転職で現実的な選択としては仲介会社と管理会社になるでしょう。

宅建士は個人で独立開業することも可能です。数年キャリアを積んだのち、これまでの人脈を活かして独立すれば、60歳を超えてからでも充分にフリーで活躍することができます。

 

転職後の年収

厚生労働省が毎年調査している「賃金構造基本統計調査(2019年度)」によれば、不動産取引業(仲介会社含む)の平均年収は851万円(50~54歳男女、企業規模計)、不動産賃貸業・管理業(管理会社含む)の平均年収は603万円(50~54歳男女、企業規模計)となっています。

仲介会社の平均年収は成果給を多く含み、離職率も高くて、ハイリスク・ハイリターンです。安定を志向するなら管理会社の方でしょう。

 

宅建士を50代におすすめする理由

採用の間口が広い

公益財団法人不動産流通推進センターによると、不動産業315,542法人。これは全産業の11.4%。建設業に続く大きな業界です(平成27年)

これだけを見ても採用の間口が広いですね。
かつ就労する宅建士を年齢別に見れば50代以上が全体の46.4%。年齢に関係なく活躍できる仕事です

不動産・宅建専門の転職エージェントがあります。無資格者でも登録や紹介を受けることが可能ですので話だけでも聞いてみてはいかがでしょう?

不動産業界を専門にした転職支援サービス【宅建Jobエージェント】
→不動産業界に特化したエージェント。「宅建」と名前はついていますが資格がなくても、業界未経験でも登録できます。首都圏(1都3県)の情報が中心です

 

合格のハードルが低い

先にも書いたように宅建士の合格率は約15%。他の資格と比較すると高めです。
試験は不動産取引やマンション管理、民法などが対象、社会経験の豊富な50代の方なら常識で答えられる問題も含まれます。
合格のための総学習時間は500時間と設定すれば間違いないでしょう。

 

宅建試験に合格するなら

宅建は独学が困難な資格ではありません。私も独学でした。
独学なら、テキスト&問題集をメイン教材、YouTube動画をサブ教材として移動中に利用のイメージです。
その年にあった法改正が頻繁に問題として出されるので、ケチらずに最新版を購入しましょう。テキストと問題集は同じ出版社から出ているものを買った方が、使い勝手は良いです。問題集は、回答を暗記してしまう過去問より、1問1答形式の肢別問題集がお薦めです。

 

宅建の仕事、不動産業界の事を知りたいなら、こちらの本が“オススメ”です

よくある「業界の入門書」みたいなものでなく、不動産の実務で知らないといけない事、上司や先輩がまともに教えてくれない事が、詳しく丁寧に書かれています。

宅建試験のテキストと併読すれば、知識と実務が結び付くこと間違いなしです。

 

おすすめ資格② マンション管理士

マンション管理士とは

マンション管理を行う国家資格です。マンションの管理人(管理員)とは違いますので念のため。
マンション管理士試験の受験者数は12,000~15,000人程度。合格率8%前後と宅建士と比べると狭き門です。
受験者の約半分が40代以上、しかも90%が男性と、中高年の男性に人気の資格です。

 

マンション管理士の仕事

分譲マンションにお住まいの方なら、マンションの総会などに第三者の立場で参加している所をご覧になられた方も多いのではないでしょうか?あの方です。

マンション管理士は、マンションの管理組合に対しさまざまなアドバイスやサポートを行うのが仕事です。このマンション管理士になるには、国家試験を受けて合格、所定の手続きを受けて「登録」する必要があるのです。

 

マンション管理士の就職先

不動産管理会社が転職先になります。国内で登録される不動産管理会社は約2400社、そのうち分譲マンションの管理を行うような会社は比較的中規模以上。中小零細の多い不動産仲介会社と比較しても転職先として安定感はあります。

マンション管理士からの独立開業も不可能ではないですが、よほどの人脈が無い限り、仕事を得ることが難しい。定年延長も含め組織の中で仕事をするのが現実的です。

 

転職後の年収

先ほどご紹介した厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、不動産賃貸業・管理業の平均年収は603万円(50~54歳男女、企業規模計)となっています。

 

マンション管理士を50代におすすめする理由

社会経験が重要

マンション管理士の仕事は、マンション管理組合の運営や相談、住民との権利関係の調整、大規模修繕の計画立案といったマンション管理に関する相談や、入居者トラブルの仲介など、社会経験豊富な方のほうが活躍できる場面が多いため50代に適した仕事と言えるでしょう。
しかも実際に活躍されているのは中高年が多く、採用する側も年齢のハードルが低いのが特徴です。

将来にわたって息の長い仕事

マンション管理士の受験者数は減少傾向にあります。
一方、国内でマンションに住んでいる人は約1500万人(平成29年)、人口の10人に1人の割合です。
今、老朽マンションの問題が囁かれています。都市部で築年数の古いマンションが増えてきました。それにともない大規模修繕や住民の高齢化など、マンションに関する問題が様々出て来ています。それら問題を住民の間に入って解決するマンション管理士へのニーズは間違いなく高まっていくことでしょう。

 

マンション管理士試験に合格するなら

マンション管理士も宅建士と同様に、独学で資格取得が可能です。テキスト&問題集や、宅建ほど多くはないですが、YouTubeにも試験対策動画がアップされています。

 

おすすめ資格③ 福祉住環境コーディネーター

これから介護福祉系の資格を2つ紹介します。いずれも宅建士やマンション管理士のように国家資格で業務独占資格(資格がないと仕事ができない)ではありませんが、持っていると転職が有利になる資格です。

福祉住環境コーディネーターとは

高齢者や障がい者が安全に暮らせるよう、今の住まいを、住みやすく・使いやすくするための提案を行う資格です。

試験は1級から3級まであり、3級を飛ばしていきなり2級を受けることも可能。合格率は3級で約50%、2級で約30%とハードルはかなり低めです。
転職に活かすという事ですので、2級にチャレンジしてみましょう。1級は2級合格者が受験できます。

 

福祉住環境コーディネーターの仕事とは

主な仕事内容は、高齢者や障がい者の住む家や使う生活用品を、より使いやすい形にするためのアドバイスを行うことです。
段差の解消や、階段や浴槽へ手すりを設置するなど、住まいのコーディネートや、より生活しやすくするために介護用品の提案を行うのがメイン仕事です。

福祉住環境コーディネーター2級をおすすめしていますが、こちらを取得すると、介護保険を利用した住宅改修を行う際に必要となる「住宅改修が必要な理由書」を作成することができます。
高齢者と介護保険制度は切っても切り離せない関係にあるので、この分野で専門的な仕事をしたいなら、2級は間違いなく取っておきましょう。

 

福祉住環境コーディネーターの就職先

介護施設や建築会社、リフォーム会社、福祉用具メーカーなどが就職先になります。
介護施設に就職するというより、建築会社、リフォーム会社や福祉用具メーカーへの転職が基本となります。介護施設も転職できなくはないですが、資格が活かされる場面はほぼほぼ皆無でしょう。

個人的には介護分野の工事に力を入れている建築会社リフォーム会社がおすすめです。
理由としてはインセンティブ制度を導入している会社が多く、頑張り次第で高収入も可能、設計士やケアマネージャーとの人脈を築いて独立開業も夢ではありません。

 

転職後の年収

福祉住環境コーディネーターの年収データはありませんが、厚労省の「賃金構造基本統計調査」では介護業種の中に含まれるので、そちらを参考までに紹介しますと、平均年収は401万円(50~54歳男女、企業規模計)です。

建築会社やリフォーム会社に転職した場合は平均年収581万円。待遇面だけをみれば、建築系の会社へ転職する方が得策のようです。

 

福祉住環境コーディネーターを50代におすすめする理由

受験のハードルが低い

福祉住環境コーディネーターの合格率は2級で30%。他と比べると圧倒的にハードルが低いです。また試験日も年に2回(7月・11月)あり、機会を逃さずにチャレンジできます。合格のために必要な勉強時間は150時間と言われています。

厚生労働省の方針

国(厚生労働省)は、高齢化が進み社会保障財源が今後先細りすることもあり、また介護業界の深刻な人手不足もあって、現在の施設で介護を行うスタイルから、在宅介護へ舵を切っています。これまで施設に入っていて、軽度の要介護者が自宅で過ごすことになり、それに伴い、住環境の改善は必要とされることです。

社会経験が重要

高齢者ならびにその家族が顧客となるので、社会経験が豊富な中高年の人材が信頼されるでしょう。特に50代なら多くが自分の親の介護も経験している年齢層。自分のこととして親身なサポートが期待されます。

福祉住環境コーディネーターに合格するなら

決して試験の難易度は高くないですが、福祉・医療・建築など幅広い分野が試験範囲ですので、資格スクールで体系的に学ぶ方が効率的です。

 

すすめ資格④ 介護福祉士

これまでの資格と違い実務経験が求められますが、こちら取得すると年齢に関係なく長く仕事ができます。

介護福祉士とは

介護福祉士は、介護業界では唯一の国家資格です。介護の仕事は資格がなくてもできますが、介護福祉士になると、介護職への指導など、より幅広い仕事に携わることができ、待遇面がよくなることや、役職者になれるメリットがあります。

基本的に介護業界は例外なく人手不足に苦しんでいますので、採用のハードルは低いです。転職先は介護系求人サイトか転職エージェントから見つけます。

 

転職後の年収

介護福祉士の年収は決して高いと言えません。

とはいえ、今回紹介した4つの資格の中で最も食いはぐれの無い介護福祉士。ケアマネージャーなど他の資格とあわせて取得すれば、独立開業の方向性も。

 

介護福祉士を50代におすすめする理由

転職先に困ることがない

介護施設は、国家資格である介護福祉士の配置義務があり、喉から手が出るほど欲しい人材です。
年齢に関係なく、介護福祉士の資格を持っていれば転職先に困ることはありません。
介護の求人サイトを見ていても、無資格の介護スタッフは充足しているが、介護福祉士が足りない施設をよく見受けます。

介護福祉士は職種給

無資格者と比べ、介護福祉士の給料は高いです。
また業界全体でおよその賃金水準が決まっているので、中高年になってから転職を繰り返したとしても給与が下がりにくいです。(元々、介護の給与水準は低いというのはあります)

研修受講が中心

介護福祉士の場合、参考書を片手にガリガリ勉強するというよりは、実務者研修の中で習得した専門スキルが試験に出るイメージです。
したがって、真面目に研修受講すれば合格できるため、試験勉強が苦手な方にはプラスです。

 

介護福祉士になるには

介護福祉士になるには「実務経験」「養成施設」「福祉系高校」の3つのルートがありますが、50代の方が介護士を目指すのなら実務経験ルートが選択肢です。

実務経験ルートは、介護の現場で3年以上かつ540日以上働くこと、「実務者研修」という講座を修了することの2つで受験資格が得られます。働き方に規定はなく、正社員をはじめ、派遣やパートとして働いた実績も実務経験として認められます。
働いて介護の仕事に慣れながら、資格取得を目指す流れです。

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