月5万円ビジネス

飲食店の開業届は「知らない」では済みません【開業希望者向け】

 

いつかは自分の店をもちたい
飲食店の開業準備を始めた
副業として、飲食店の経営を考えている

 

この記事は、そんな方にむけた内容です。

 

飲食店は5年以内に30%が廃業する厳しい業界。

それでも人気があるのは一攫千金のチャンスがあるから。

また「こんな店をやりたいな」と、昔からの自分の夢を形にするロマンのようなものもあって、今でも多くの開業希望者を引き付けるのでしょう。

 

その一方で、ロマンだけで経営出来ないのも現実。

従業員を雇うこと、お金の管理。お店をするには、色んなことが付いて回ります。

開業にあたっての許可や届出もそのひとつです。

 

本記事の内容

飲食店の開業に必要な許可や届出について解説

準備を進めていたのに、許可が下りない
許可を取っていなかったため、営業停止処分に

 

こんな事のないように解説します。

開業届は、あまり重要に思われないテーマ。

でも、きちんとしないと後で痛い目にあうことです。

 

この記事を書いている私は、コンサルタントとして20年、その後は事業会社で役員をしています。新規事業担当の役員として、飲食店舗の立ち上げにも関わりました。

 

飲食店営業許可

飲食店の営業を認めてもらう許可です。

飲食店するには、まずこれが絶対に必要です。

 

飲食店とは、従業員がお店で食べ物や飲み物を提供し、その対価としてお金を頂く、という商売です。

人の口に入るものをお店で扱う訳です。

「美味しい」「美味しくない」以前に、まず衛生面に気を使ってもらわないと困ります。

不衛生なところで食中毒なんかになったら大変です。

その為、飲食店を開業するにあたっては、地域の管轄の保健所に行って「お店の衛生面はしっかりしています」というお墨付きをもらう必要があります。

これが「飲食店営業許可」です。

 

飲食店営業許可は、衛生面で一定の基準をクリアしなければもらえません。

「不潔」「害虫対策」「食材保存」等がチェックされます。

実際の許可は、近くの保健所に連絡、必要書類の確認や検査日程の予約を行います。

 

飲食店営業許可+αが重要

とはいえ、ほとんどのお店は営業許可だけは取ります。

しかし残念ながら、営業許可さえあれば「何をやってもいい」という事でありません。

営業する時間帯や、お店の形態によっては、飲食店営業許可に加えて、別の許可や届出が必要になります。

 

例えば、「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要なケース。

この届出は、深夜0時から午前6時までの間にお酒を提供する飲食店に必要です。開店の10日前までに所轄の警察署へ届け出ます。

深夜3時まで営業しているBARなのに、飲食店営業許可のみで営業していれば、それはアウトです。

多くの場合は、+αの届出のことを知らなかったり、知り合いや同業者から「届出しなくても大丈夫。」と言われ信じてしまったりしたのが理由。ほとんど悪気がないものです。

 

しかし、悪気が無くても無許可は無許可、無届は無届。

悪質と判断された場合は、営業許可の取り消しもあるので、絶対に届出しましょう。

営業許可の取り消しなら、その時点で廃業することになりかねません。

 

怖いのは、オープンした後で届出としようと思ったら、そもそも「許可がおりない地域だった」なんてこと。

こうなると、最悪です。

「許可がおりる・おりない」は調べない限り、誰も教えてくれません。

 

ぶっちゃけ、お店を決める時は、不動産会社に仲介を頼みますが、不動産会社は「飲食店の開業に必要な届出」など知らないので、そんな事はお構いなしに契約を進めます。

注意しましょう。

 

調べや手続きが面倒、難しいことは自信がないなら、行政書士などの専門家が代行してくれます。

でも、そんなに難しい事ではないので、まずは自分で調べ、理解することが重要です。

 

時間をかけたくない、本業に集中したいならアウトソーシングも。

内容を知らずアウトソーシングするより、理解した上で、そうしましょう。

 

飲食店営業許可以外(+α)の許可・届出

いわゆる「飲食店」。和食、イタリアン、中華、定食屋、居酒屋等、その種類やお店の名前に関わらず、基本的には「飲食店営業許可」のみでOKです。

 

飲食店を深夜に営業したい場合

いわゆるバーや居酒屋など、お店の種類を問わず、深夜12時以降もお酒を提供する場合、「飲食店営業許可」に、「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要となります。

ちなみに、食べ物の提供がメインの場合、これは要らない可能性があります。(24時間営業のファミリーレストラン等)。

この届出の提出先は警察署です。

これは許可ではなく、届出ですので、要件を満たせば、届け出るだけでOKです。

要件でいえば、店内に1m以上の高さの仕切りがあって部屋が分かる場合、9.5㎡以上の面積が必要になります。

また12時以降にお客さんがいない状態にしないと、届出は必要です。

12時ラストオーダー、1時閉店なら必要です。

 

この届出で注意すべきは「用途地域」

用途地域とは、その地域に、どのような建物が建てられるか、どのような業種が営業出来るかを定めたもの。

例えば、住居専用の地域では、深夜営業の届出は受け付けてもらえません。

その地域は、そもそも深夜に営業が出来ないと法律で決められているのです。

「せっかくお店を出したのに、12時までしか営業出来ない」なんてことになったら大変。

用途地域は、市役所などで教えてくれますので、店舗を決める前にしっかり確認が必要です。

 

スナックやキャバクラをしたい場合

いわゆる「接待」を行う飲食店は、営業許可に加えて「風営許可」が必要です。

この「風営許可」も用地地域の制限があります。住居専用の地域ではほぼ許可がおりません。

これも店舗探しの段階でしっかり確認しましょう。

 

これには客室の面積についての基準があります。

あまりに小さい店舗や、個室一室あたりの面積が小さすぎると許可が下りません。

「客室が外から容易に見通すことが出来ないもの」も要件です。通りから中が見えるような内装はアウトです。

「風営許可」の申請先は警察署です。

店舗や内装を決める前に、きちんと警察署へ行って相談・確認を行いましょう。

ちなみに「風営許可」です。届出よりワンランク難易度が上がります。

 

クラブをしたい場合

特定遊興飲食店営業。

「深夜」に営業し、お客さんが「遊興」し、「酒類」を提供する営業形態を言います。

 

深夜に営業する「クラブ」と呼ばれるものが該当します。

該当する場合は、飲食店営業許可に加え「特定遊興飲食店営業許可」が必要です。

 

ダーツバーをしたい場合

デジタルダーツは、いわゆる「ゲーム機器」なので、設置に風営許可が必要。

「デジタルダーツはゲームのため、ゲームセンター用の許可を取りなさい。」という事です。

しかし、ゲーム機器の専有面積が客席面積の1/10以下でしたら、例外的に風営許可はいりません。

カウンター10席とテーブル席2のお店に1台のデジタルダーツを設置なら、風営許可は要らない可能性があります。

 

風営許可+深夜営業の場合

お酒を提供する飲食店は、深夜12時以降「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要。

では、風営許可で営業しているスナックやキャバクラは、夜12時以降営業出来るの?

「答えはNO」です。

風営許可と深夜営業の届出は重複できないのです。

12時までに会計を済ませて、そのまま店内に居座るのもアウトです。

 

屋台の場合

ラーメン屋台やクレープ等の移動販売。

もちろん食べ物を提供しているので、飲食店営業許可が必要。

屋台や移動販売は許可も少々ややこしいです。

 

まず、移動販売で良いのは、盛り付けなどの簡単な行為。

仕込みは、別の場所を確保して行わなければなりません。

また自宅の台所で仕込んで、移動車に持ち込むのはできません。

仕込み場所もしっかり申請する必要があります。

その為、仕込み用に場所を確保しなければいけません。

移動販売で家賃がかからないと思っていたら、専用の厨房に家賃がかかってしまったなんてこともありますので注意が必要です。

 

その他、自動車を使うのなら、改造の為の「自動車検査法人の構造変更検査」が必要です。販売場所に道路を使うのであれば、警察の「道路使用許可」、公園を使うのであれば管理している自治体の許可が必要です。

 

業種によって、様々な許可や届出はあることは、お分かりいただけたでしょうか。

意外と制約があるものです。

 

飲食店開業の近道とは?

飲食店を含め、インターネット上で自由にお店の売買ができるM&Aのプラットフォーム【トランビ】では、常時2000件以上が紹介されており国内最大規模です。

トランビで確認頂くと1店舗から「飲食店」のM&Aは多いのが分かります。

M&Aで飲食店を買うとは、許可を含めた開業までの手間暇を、お金で解決するイメージです。

 

飲食店の場合、むしろ店舗を厨房設備ごと売りに出す「居抜き物件」のオークションサイトを確認いただくのも良いでしょう。

【店舗そのままオークション】では、飲食業はじめ、多くの居抜き物件が紹介されているので、そちらを見ると希望の店舗に巡り合うかもです。

 

M&A案件にせよ、居抜き物件にせよ、好みにピッタリのものがすぐに見つかる訳でないので、新着メールをこまめにチェックすることが重要です。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。