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業界研究

おすすめは介護タクシー【資金300万円以内の独立開業】

介護業界で独立開業をお考えの方

専門的な知識もなく、特別能力もない自分でも独立開業できる、おすすめの業種を知りたい。元手は出来るだけ少なく、自己資金もしくは最低限の借入でリスクなく始めたい。大儲けももちろん良いが、それより手堅く安定的に稼げる業種はないかな?

こういった疑問に答えます。

 

本記事の内容

・独立開業は介護タクシーがおすすめ

・おすすめする理由と事業の始め方をざっくり解説

・介護タクシーでの稼ぎ方を解説

 

本記事が想定している読者

・介護業界の経験あり。独立開業を考えている

・介護業界の経験なし。独立開業したいが、何をするのか決めかねている

いずれの方にも、介護タクシーはおおありです。

 

この記事を書いている私は、コンサルティング会社で20年、現在は事業会社で20施設を運営する介護事業部門の統括をしています。

コンサル時代、事業会社でも新規事業の立ち上げに携わってきました私が思う、独立開業成功のポイントは、小さく始めて、コツコツ育てていくことです。

 

そもそも介護タクシーとは

なんとなく言葉からイメージできます。

家族が利用しているのを見たことがある方もいるかも。

介護タクシーは、要介護者(高齢者など)を移送するためのタクシーです。

法人である必要はなく、個人で開業ができます。

また介護移送だけでなく、旅行やショッピングなどレジャーにも利用できます。

 

運賃やその他の料金は、自由に設定することができます。

保険適用はされませんので、利用者から直接料金を徴収します。

そういう意味では、普通のタクシーと変わりませんが、一般のタクシーとの違いは、駅や路上で客を乗車させることはできません。

 

*補足

保険適用される介護保険タクシーがあります。

ややこしいですが、介護タクシーと介護保険タクシーの違いは、「介助や付き添いのある・なし」です。介護タクシーは介助や付き添いの無いサービス。介助は、その家族が行います。

本記事は主に「介護タクシー」について書いています。

 

介護タクシーはどれくらい走っている?

全国で介護タクシーは、ざっくり20,000台です。

国土交通省は東京オリンピックの2020年に28,000台にしたかったようですが、どうも大幅な未達成に終わりそうです。

「台数は足りていない」のが事実です。

介護タクシー(全国)

台数:2万台

対象人口:659万人(要介護者)

1台当り人口:330人

 

核家族化が進み、老老介護や高齢者の独り暮らしが当たり前になっている社会環境。

高齢者ドライバーへ社会の目が厳しくなる中、介護タクシーのニーズは、今後ますますと高まるでしょう。

 

介護タクシー開業に必要な資格は?

必要な資格は、

普通自動車二種免許

これだけです。

 

普通二種免許とはタクシーなどを運転するのに必要な免許です。

取得は普通免許と同じく、自動車教習所に通うか、免許試験場で技能試験を受けるか、いずれかです。

教習所に通った場合の費用は20万円前後、免許取得にざっと1ヶ月はかかります。

 

介護タクシーは幾らするの?

当たり前ですが、開業には専用の車両が必要です。

車両は必ずしも、下の写真にあるような、リフトやスロープのついたワゴンタイプの福祉車両(8ナンバー又は5ナンバー車)である必要はありませんが、セダンなどの一般車両で開業する場合は、介護職員初任者研修の資格が必要です。

いろんな状況に対応可能なように、福祉車両で開業することをおすすめします。

福祉車両の価格は、大きさや機能により幅があり200~500万円くらい。

中古車も流通しています。200万円程度にはおさえたいものです。

 

介護タクシーの開業に必要な資金

必要資金は約300万円。

車両以外に、営業所の家賃、車庫代、保険代、備品などが必要です。

資金不足なら国金などの金融機関から借り入れる準備をします。

介護業界・介護タクシーでの経験は不要?

必要はありません。

ですが、経験があると有利です。

介護タクシーの会社で実務経験を積んで、独立する場合が大半のようです。

また介護の現場を経験することで、利用者の困りごとや、ケアマネージャーの仕事が理解でき、営業が有利に運びます。

したがって、実際は介護、あるいは介護タクシーの現場を経験することになります。

「介護士ジョブメドレー」に掲載される、介護タクシーの求人募集を見ると、普通免許とあわせて、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の資格を求めている所がほとんどです。

介護職員初任者研修などの資格を持つと、送り迎えの際の介助や付き添いの仕事(介護保険タクシー)も出来るようになり、サービスの幅も広がります。

開業資金300万円をゼロから捻出するなら、初任者研修を受けつつ、1年くらい派遣社員として介護施設で夜勤にチャレンジすることも一案です。

介護職員初任者研修の資格を取得するには、講義と演習で構成される約130時間(約2ヶ月)の研修受講と、全課程修了後の修了試験に合格することが必要です。

試験のハードルは高くないですが、時間拘束がキツイですね。

研修受けつつ、派遣の仕事なら平均時給1700円。

本業との掛け持ちは体力的にきついですが、期間限定で頑張りましょう。

 

夜勤派遣について、こちらで書いています。

https://kotobuki.blog/716/

 

開業までの流れ

開業までに要する期間は約6ヶ月です。

・開業資金の準備(約300万円)

・普通2種免許の取得(1ヶ月)

・事業許可申請書類の提出

・法令試験(書類提出の翌月)

・事業許可(書類提出より3ヶ月後)

・福祉車両の購入、営業ナンバーの取得

・運輸開始届(事業スタート)

 

試験の難易度は、それほど高くないようですよ。

開業申請時には、手元にまとまったお金が必要です。資金基準といいます。

申請時に必要な資金は、ざっくり300万円です。

 

介護タクシーの収入は?

このような収入の計算式を作りました

月収=タクシー1台当りの要介護者(330人)×介護タクシー利用率(12.8%)×月の平均利用回数(4回)×平均利用金額2000円=約338,000円

*NPO法人全国移動ネットワーク調査データを利用

 

あくまでモデル金額としてご理解下さい。

フリーランスの事業主なので、これ以上稼ぐ人もいますし、これ以下もいるでしょう。

推測ですが、月収20万円~50万円の幅ではないでしょうか。

 

転職サイト「介護求人ジョブメドレー」で調べると、介護タクシーの正社員募集は全国で約1000件ヒットしました。

月給はおよそ20~25万円です。

【福岡県】介護タクシー乗務員(介護職/ヘルパー)

  • 日勤 基本給141,288円~、隔日乗務 基本給141,288円~
  • いずれも最低保障給のある歩合給制
  • 介護タクシースタッフの平均月収250,000円
  • シフト制 日勤 月24日勤務、隔日勤務 月12日勤務
  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)以上、普通自動車運転免許(取得後3年以上)

【京都府】介護タクシー/ドライバー募集

  • 介護タクシー業務と、介護保険が適用される送迎の業務も行っていただきます
  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)、普通自動車二種免許
  • 【正職員】月給 190,000円 〜 230,000円

>>【介護タクシーの募集】介護求人【ジョブメドレー】

 

 

介護タクシー事業のメリット

独立開業のハードルが低い

資金300万円、準備期間半年、介護業界の経験なくても、特に資格がなくても、独立できます。50歳を超えてからでも独立可能。

個人タクシーで開業するよりも、遥かにハードルが低い。

健康であれば、長く続けられる事業です。

 

仕事が規則正しい

通院が主な仕事になりますから、自ずと仕事は午前が中心。

お昼過ぎには仕事を終え、他の仕事との掛け持ちなんかもできます。

同じ理由で、日祝は、休みを取りやすいです。

 

景気の影響を受けにくい

日本は間違いなく、将来においても高齢化社会で、景気が悪くなっても、介助が必要な人は減りません。

ロボット(自動運転)が人に変わるのでは?と不安かもしれませんが、介助の部分はロボットに出来る分野ではありません。

 

トラブルが少ない

タクシーの場合、どんなお客を乗せるかは、乗せてみないと分からないですね。

酔っ払いや、クレームをつける人、誰でも嫌でしょう。

介護タクシーの場合は、ほぼ固定客のため、トラブルに巻き込まれるリスクが低いです。

 

介護タクシー事業のデメリット

収入に限界がある

この仕事の最大のデメリットは、車を走らせない限り売上がたたないことです。

収入の天井は50万円くらいでしょう。

 

実力により個人差がでる

固定客を獲得する介護タクシーに求められる実力は、営業力とサービス力です。

話すのが嫌い、人のお世話が嫌いという人には向かない仕事でしょう。

 

忙しい時間帯が集中する

メリットは反面、デメリットにもなります。

忙しい時間帯が集中すると、稼ぐチャンスをミスミス逃してしまうことも。

 

介護タクシーの問題(デメリット)を解消するために

営業活動

介護タクシーでは、何より固定客を持つことが重要です。

毎日、毎時間、決まった人を送り迎えできれば、経営も安定します。

反面、スポットの仕事ばかりを受けていれば、毎月の売上も気が気でないですね。

太い固定客を紹介してくれる、ケアマネージャーや病院への営業活動が重要。

紹介をもらいやすいためには、他と差別化できる何かを持っておきましょう。

介護業界の経験が長いとか、気持ちが穏やかで優しいなど、当たり前と思うことが決め手になったりします。

 

横のつながりを持つ

送り迎えする時間帯が重なる時です。

断ってしまえば、せっかくの売上チャンスも逃してしまいます。

そんなときは、同じ独立事業者と連携し、仕事を流してあげることも。

そうすれば、次は逆に紹介してもらえるかもしれません。

同業者を競争相手とするのでなく、連携する仲間とすることで、顧客基盤も強くなります。

 

稼ぐ手段(副業)を2つ以上持つ

まず介護タクシーで独立開業を目指します。

でも事業が一段落すれば、もう1つ、2つ別の稼ぐ手段を持つべきです。

幸い、介護タクシーは忙しい時間帯が限定的、上手くやりくりして、午前中と午後を、別の仕事をすることも可能です。

 

稼ぐ手段、例えばこんな副業は?

例えばですが、介護タクシーとの相乗効果を期待するなら

・何でも屋

・宅配高齢者弁当

・買い物代行

なんて事も。

Benry(ベンリー)は、何でも屋で全国展開していますが、その仕事の大半は高齢者からのものらしいです。

>>ベンリーの公式ホームページ

私たちが、出来て当たり前と考える、例えば、庭の植木の剪定、家具の移動、部屋の大掃除なども、身体が不自由な高齢者には難しい仕事。

特に都会は、高齢夫婦2人暮らし、独り暮らしの老人が多いので、近くに家族もなく、なおのことニーズがあります。

介護タクシーで培った信頼や、顧客基盤と人脈を使えば、安定的な受注ができます。

 

宅配高齢者弁当や買物代行も基本的な考え方は同じ。

介護タクシーで築いた資産を、別事業でも活かすことが賢明です。

いずれもフランチャイズがありますが、加盟する必要はないですね。

高齢者弁当なら地元の弁当屋さんと提携すれば、よりヘルシーで美味しい弁当が提供できるでしょう。

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

この記事は、介護のマーケットで日々起こっていることを目の当たりにしている私が、介護タクシーで開業するなら、こうするなと書いたものです。

この方法が必ず正しいとは限りませんが、多少なりとも参考になれば幸いです。

 

また、介護業界で転職を考えている人や、働きながらの副業どうだろうと考えている人にむけて、幾つか記事を書いています。

右カラムの「介護」や「副業」のカテゴリーにまとめているので、よかったらそちらもどうぞ。