介護士

介護業界へ転職活動の失敗しない始め方【業界未経験者向け】

介護業界へはじめて転職しようとしている方

未経験なので不安。介護業界はブラック企業やパワハラ、セクハラがあるとも聞くし。介護業界で長く働くためには最初に転職する会社が大事だと思うし、資格取得も考えたいので、具体的な手順や失敗しないための注意点を知りたいです。

こういった疑問に答えます。

 

本記事の内容

・未経験から失敗しない転職活動の始め方は「間違わないこと」

・間違わないための転職活動の手順

 

この記事を書いている私は、人事関係のコンサルティング会社で20年、現在は事業会社で20施設を運営する介護事業部門の統括をしています。

業界の良いところも、悪いところも知っている私が、採用する側の立場も踏まえて書いていきます。

業界を外からも、内からもから見てきて思うことは、「玉石混合」です。

 

未経験から介護業界に転職する手順は非常にシンプルですので、本記事で深掘りしつつ業界全般の話も交えていきたいと思います。3分くらいで読めますので、しばしお付き合いください。

 

未経験から失敗しない始め方は「間違わないこと」

すいません。

すごくざっくりとした言い方になりました。

やることは単純で、転職活動するのみです。

 

転職のハードルは低いです

介護業界への転職は、ずばり簡単です。

業界の有効求人倍率4.24倍(2019年1月時点)。

1人の転職者に対して4社から採用オファーが入るということです。

もし業界へ転職しようと求人サイトに登録すれば、その気になれば、1週間後に就職先が決まっていても不思議ではありません。

それくらい、介護の現場は人手不足です。

 

退職のハードルも低いです

求人倍率と同じくらい高いのが離職率です。

「就職後3年以内に6割が辞める」とのデータもあります。(公益財団法人介護労働安定センター調査)

しかし、1年以内の離職率は全体で15%。この数字は全職種平均と変わりません。

飲食や宿泊業界の離職率が30%を超えているのと比較すると、「意外と低い」のが分かりますね。

これらの数字から言えることは、「すぐ辞める人」と「長く続ける人」が極端に分かれるのが介護業界。

・職場が気に入らなければ、どんどん転職する

・職場が気に入れば、長く勤める。

入るのも、出るのもハードルが低い介護業界。

業界未経験者へアドバイスするとすれば、「最初の転職先を慎重に」ということです。

 

なぜ辞めるのか?退職理由

介護業界の退職理由トップ10

1位:結婚・出産・妊娠・育児のため

2位:自分の将来の見込みが立たなかったため

3位:職場の人間関係に問題があったため

4位:収入が少なかったため

5位:他に良い仕事・職場があったため

6位:新しい資格を取ったから

7位:法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

8位:人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振等のため

9位:自分に向かない仕事だったため

10位:家族の介護・看護のため

*公益財団法人介護労働安定センター「平成30年度 介護労働実態調査」

 

余談ですが、このデータを2年ぶりに見て驚いています。過去断トツ1位であった「職場の人間関係」が3位になっている点です。

業界関係者が努力してきた結果なのでしょうか?

それとも働く側が良い意味でドライになり、気にしなくなったのか?

面白い結果です。

 

まとめると介護業界の主な退職理由

・結婚や出産などの個人的な理由

・収入含め将来に不安

・職場の人間関係

このあたりです。

1位の個人的な理由で退職が多いのは残念な感じです。

今は育児休業や介護休暇など、企業のバックアップが求められているとき。業界全体の取り組みの遅さが気になりますね。

なので家庭へのバックアップがどれくらい整備されているか、会社選びも慎重にしたいものです。

 

業界未経験の転職活動は、なにから始めるべきか

先ほど「間違わないこと」と書きましたが、それではあまりに適当すぎるので、もう少し深掘りしていきますね。

業界未経験の人が転職活動を始める手順

手順①:まずは転職サイトに登録

手順②:業界の基礎知識を学ぶ

手順③:面接を受ける

では、順番にみていきましょう。

 

手順①:まずは転職サイトに登録

いきなり転職サイトに登録で大丈夫です。

繰り返します。登録してください。

というのも業界のことは仕事内容など、登録して、実際の求人募集を眺めてみて、はじめて分かりますので。

本やネットの記事を読むのも大切ですが、実際に転職活動をしながら勉強した方が、確実に理解が進みます。

 

ただし、ここから重要。

転職サイトには「転職エージェント」と「転職サイト」の2つのタイプがあります。

このどちらかは選択する必要ありです。

 

しかも、パッと見ですが、そのサイトが、どちらのタイプか分かりにくく、これに後々で困らされてりします。

というのも、このタイプによって転職活動のやり方が変わります。

なので、簡単にですが、両者の違いについて解説します。

 

転職エージェント・・・企業と求職者の間にエージェント(仲介者)が入る

転職サイト・・・エージェントを介さない。企業と本人が直接やりとりする

 

転職エージェントのメリット・デメリット

 

メリット

・本人の希望にあった先を探して紹介してくれる

・面接の申込から条件の交渉や内定辞退までエージェントが代わりにやってくれる

・未経験者に転職に成功するためのコツを教えてくれる

・決まるまでが早い

 

デメリット

・エージェント(仲介人)の資質により当たりハズレがある

・自分のペースで活動しづらい

【裏事情】時に紹介電話やメールが鬱陶しい

【裏事情】本人の希望というよりエージェントが売りたい企業を紹介する

 

転職サイトのメリット・デメリット

 

メリット

・自分のペースで転職活動できる

・自分の好みで企業を選べる

 

デメリット

・応募から面接の申込、内定辞退など、全て自分でしなければいけない

・情報不足になりがち

【裏事情】応募しても無視されたりする

 

業界未経験でも安心な求人サイト

私が採用する側でも使っている、それぞれ安心できる求人サイトを紹介します。

 

転職エージェントのおすすめ

・正社員で働きたいなら・・・・・マイナビ介護職

・派遣社員として働きたいなら・・・・・かいご畑

正社員と派遣社員の違い、それぞれのメリット・デメリットについて、こちらの記事「介護派遣の仕事とは?そのメリットやギモンに答えます!」で詳しく書きましたので、あわせてご覧ください。

 

エージェント機能がない転職サイトのおすすめ

・掲載数№1・・・・・介護求人【ジョブメドレー】

・転職ノウハウがたくさん・・・・・介護求人ナビ

 

大事なので、繰り返します。

転職エージェントか転職サイト、まずはどちらかに絞りましょう。

 

そこを中途半端にしてしまうと、こんな事が起こりますよ。

・まだ転職を決めかねているのに、オシの強いエージェントに押し切られて、就職を決めてしまった

・第一希望の会社に準備不足で面接に行ってしまい、落とされてしまった

 

大丈夫。

決めの問題です。

中途半端にしなければ失敗しません。

進めていく中で、エージェントから転職サイトに切り替える、逆にエージェントに依頼することもできます。

現時点では、どちらかに決めて登録すること。まずは、スタートラインに立まちしょう。

 

手順②:業界の基礎知識を学ぶ

転職サイトに登録しつつ、同時並行で、業界について基礎知識を学びましょう。

学ぶべき基礎知識とは

・介護サービスの種類と特徴

・働くスタイル

・介護資格

・他の人の成功・失敗体験

・業界の未来

の5つです。

 

介護サービスの種類を学ぶ

厚生労働省によれば、介護のサービスは、全26種類、54サービスに分かれるという事です。厚生労働省のHPに、細かく、割と丁寧に書かれているので、詳しくはこちら見て下さい。

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/

求人サイトを見て分からない言葉が出てくれば、このページは辞書的に使えます。

 

本記事は、細かなことは省略します。

大きくは、高齢者が「自宅で受けるサービス」と「自宅から通うサービス」「施設に入所するサービス」に分かれます。

業界未経験者なら、おそらくこのうちのどこかへ就職するでしょう。

 

働くスタイルについて考える

働くスタイルを考える上で大きいのは、夜勤の「ある」「なし」です。

夜勤OKなのか、NGなのか?

9時から5時までのような通いのサービスなら夜勤はないですが、介護者が生活する施設なら、当然夜勤の仕事があります。

夜勤が多い仕事は、当然給料が高くなりますね。

 

次に雇用形態。

選択肢は、

( 正社員 OR 派遣社員 )×( フルタイム OR パートタイム )

この掛け算なので全部で4通り。

派遣が気になる方は、こちらの記事もあわせて読んでみましょう。

介護派遣社員の実態をQ&A解説 住宅ローンや社会保険等の疑問に回答私は人事コンサルタントとして、様々な業界での経験、その後、介護事業会社の幹部社員として、事業運営を任されています。 この記事では、...

 

 

介護資格について考える

介護業界には国家資格ふくめ、たくさん資格があります。

資格取得を国が奨励していて、業界全体で資格を持つと給料が上がる仕組みになっています。

介護業界に転職するなら、資格についてどうするのか、考えておくと良いでしょう。

介護おすすめ資格 転職に有利な8つの資格介護業界でキャリアアップしたい、転職に有利な資格を取りたい、給料アップが期待できる資格は、そんな疑問にお応えします。 介護事業所を...

 

この介護福祉士を受験するための学校を無料で通うことのできる制度があります。

『かいご畑』の評判と業界未経験者におすすめする理由 このような方におすすめの情報ですよ。 本記事のテーマです。 ・派遣登録しつつ介護...

 

派遣社員として働くことを選択し、介護福祉士を目指すなら、「かいご畑」のキャリアアップ応援制度は外せないでしょう。

 

他の人の成功・失敗体験を知る

介護求人ナビには、のべ600人以上の転職活動の成功談や失敗談が紹介されています。

しかも業界経験の長いプロのライターがしっかりインタビューをしながら書いていますので、私なんかが読んでいても学ぶことが多く、これから転職活動を始める人にとっても、大いに参考になるでしょう。

 

介護業界の未来について考える

給料が安い割に仕事がハード、人がすぐ辞める、パワハラやセクハラが多い、などのニュースで、「介護、終わっている」と考えるかもしれません。

そんな不安もあり、この記事をご覧になられておいる方もいるでしょうね。

確かに業界に課題は多くありますが、私はポジティブな未来があると実は思っています。

 

人手不足や仕事環境について

これから高齢化がさらに進みます。

いまも人手不足ですが、ますます深刻になります。

ただし、「このまま」ではです。

 

私は2つの事で、人手不足は解消すると思っていて、楽観視しています。

というか、解消しないと「日本、本当に終わってしまいます。」

 

ひとつは、ロボットやAI化の波が来て、人の代わりをしてくれるようになるでしょう。

 

もうひとつは、いまや世の中で当り前になっている「アプリ」「シェリング」「副業・小遣い稼ぎ」の波が介護業界にも寄せてきて、介護版のメルカリやUBER EATSのようなサービスが出てくることで、みんながちょっとずつ仕事をシェアして、収入を得るような仕組みが出て来るでしょう。

この2つの波は間違いないです。

安心してください。

 

業界の未来について

日本は先進国の中で、また大国の中で、世界に先駆けて高齢化へ進みます。

世界に先駆けて、日本が経験することに、世界中が注目しています。

実は中国も、近い将来、高齢化が深刻な社会問題になると言われています。

日本が先駆けて介護サービスを開発し、中国やその他の大国に輸出すれば、車や電化製品に替わる、メイドインジャパンとなるでしょう。

 

これらの事を成し遂げるには、優秀な人材が必要です。

残念なことに、まだまだ旧態依然として所が残っている業界ですが、若くて優秀な人が出てくるようになりました。こういう人達が、どんどん業界に新しい風を吹かしてくれる事でしょう。

 

代表の秋本可愛氏は20代。超高齢社会を創造的に生きる次世代リーダーのコミュニティ「KAIGO LEADERS」運営、その活動が度々マスコミでも紹介されています。

https://heisei-kaigo-leaders.com/

 

手順③:面接を受ける

エージェントルート、サイトからの直接ルート、いずれにしても、次は面接を受けるだけ。

先にも書きましたが、介護業界は超売手市場、入社のハードルは極めて低いです。

私が面接をしていても、例えば、条件が全く合わないとか、採用すると何か問題が起きそうとか、特別な事がない限り採用します。

なので、安心してください。

GOOD LUCK!

幸運を祈っています。

 

 

補足:収入の目安を書いておきます

目安は次の通りです。

経験を積んで、資格を取ることで収入が上がる仕組みです。

 

◆正社員の場合

無資格者           261,600円

介護職員初任者研修(受講済) 285,610円

実務者研修(受講済)     288,060円

介護福祉士          313,920円

ケアマネージャー       349,980円

 

◆派遣社員の場合

1日8時間の平均賃金は、13,629円(1時間1,703円)

 

比較すると派遣社員の方が高いことが分かります。

その上、正社員の場合、無給のサービス残業や会議も多くあることが予想されるので、実態はもっと差があるかもしれません。

 

 

介護の仕事をしつつ副業で稼ぐ

この仕事のメリットのひとつに、副業に対するハードルの低さがあります。

実際自分たちも、副業の手を借りつつ、夜勤を回していたりするので、当然でしょう。

 

より稼ぎたいというなら、

・正社員としてフルタイムを働きながら副業で稼ぐ

・派遣社員やパートタイムで一定時間を働きつつ、副業でガッツリ稼ぐ

こんな働き方も。

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