保育士

児童指導員になるには?資格や仕事内容、給与、将来性について解説

こんにちは、Kotobukiです。

事業会社で介護福祉部門の役員をしながら、このブログを書いています。

 

児童福祉施設などで働き、保護者に代わって障害をもった子供達に生活指導や学習指導、社会性の指導を行う児童指導員。

最近では、放課後等デイサービスをはじめ、異業種から新規参入する事業者が爆発的に増えたことで、サービスの質が議論となっており、専門的な知識や経験を持つ児童指導員の役割が注目されています。

 

今回の記事では、注目を集める児童指導員の仕事内容や働く場所、児童指導員のなり方や、その将来性まで、幅広く、かつ詳しく解説しています。

 

◆この記事を読んで頂きたい人

・これから児童福祉業界を目指す方、特に教員免許や社会福祉士の資格をお持ちの方、大学で心理学や教育学を学ぶ学生さんに特に読んで頂きたいです

・保育士の資格を持ち、これから児童福祉業界を目指す方にも参考になる内容です

 

◆この記事の主な内容

・児童指導員とは

・児童指導員になるには

・児童指導員の仕事内容

・児童福祉業界について

・児童指導員の仕事環境

・児童指導員の給与や労働条件

・児童指導員の将来性

・児童指導員のキャリア

・児童指導員の就職方法

・間違わない就職先の選び方

 

◆この記事を書く私

企業の介護福祉部門で役員をしています。児童発達支援、放課後等デイサービスの事業所を複数、経営しています。

 

それでは、すすめてまいりましょう。

 

児童指導員とは

児童指導員とは

18歳未満の子どもの心身の健やかな成長と自立を支援する仕事

 

障害を持った子どもが通う障害児通所施設や、家庭環境上養護を必要とする子どもが入所する児童養護施設などで働きます。

 

児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所施設では個別支援計画やカリキュラムに基づいて障害のある子どもの療育を、児童養護施設では子どもの健全な成長を視野に入れ、生活のさまざまな場面のケースワークを行います。

 

児童指導員になるには

児童指導員になるには、試験合格や研修受講は必要ありません。

・児童指導員は任用資格

・特定の条件を満たした人が、児童福祉事業所で働けば「児童指導員」になります

ただし、自称とか任意という事でなく、その根拠は勤務先の児童福祉施設が都道府県に提出する「勤務形態一覧表」の資格欄に児童指導員と書かれている期間のみ児童指導員の資格効力が生じます。

同じ人でも資格欄に書かれなければ「児童指導員」にはなりません。

このことは、後ほど、児童発達支援管理責任者になる際に、大きな意味を持ちます。

 

児童発達支援管理責任者について、詳しく知りたい方はこちら。

保育士が児発管になるには? 注目の児童発達支援管理責任者を解説 このような保育士さんに耳より情報です。 児童発達支援管理責任者(児発管)とは、児童発達支援などの児...

 

児童指導員任用資格を得るために必要な要件

児童指導員任用資格を得るには、下記の学歴、実務経験、資格免許の”いずれか”が必要です。

 

児童指導員任用資格に必要な学歴

  1. 都道府県知事の指定する養成施設を卒業
  2. 大学院で社会福祉学や心理学・教育学・社会学の修士号・博士号を取得
  3. 4年制大学で社会福祉学や心理学・教育学・社会学を専修する学科を卒業
  4. 外国の大学において社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科を卒業

児童指導員任用資格を得るには、卒業証明書や学科の履修証明書を勤務先に提出することが必要です。

 

児童指導員任用資格に必要な実務経験

  1. 高校や短大の卒業者・・・児童福祉事業で2年以上かつ360日以上の実務経験
  2. 高校を卒業していない人・・・同じく3年以上かつ540日以上の実務経験

複数の事業所の実務経験を通算しても児童指導員任用資格を得ることができます。

実務経験を計算する上では、事業所が発行する実務経験証明書が必要です。以前の勤務先に証明書を依頼することになります。退職する際も良好な関係を維持しておきましょう。

 

児童指導員任用資格に必要な資格・免許

以下の資格や免許を持つ人は、実務経験がなくても児童指導員の任用資格を得ることができます。

  1. 幼稚園、小中高校の教員免許保有者
  2. 社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格登録済者

児童指導員として勤務するには、免許状や資格証の写しの提出が必要です。

教員の教科は問いませんが、失効状態や有効期限切れ免許は無効です。

 

児童指導員任用資格の対象となる児童福祉事業とは

児童福祉事業とは、児童福祉法に基づいて運営される事業のことを言います。

「第1種社会福祉事業=入所施設」と「第2種社会福祉事業=通所施設」に分かれます。

 

◆入所系の施設(第1種)

・乳児院

・母子生活支援施設

・児童養護施設

・障害児入所施設

・情緒障害児短期治療施設

・児童自立支援施設

 

◆通所系や訪問系の施設(第2種)

・保育所

・放課後児童健全育成事業

・乳児家庭全戸訪問事業

・障害児通所支援事業(放課後等デイサービス、児童発達支援など)

 

以上の事業所で従事した期間が実務経験にカウントされます。

入所施設は、安定した経営のできる国、地方自治体、社会福祉法人が経営母体となります。

通所施設は、民間企業や小企業も届出をすれば、事業を行うことができます。

入所施設と比べ全国に数がたくさんあり、児童指導員の経験はこちらで積むことが多くなりそうです。

その他、両施設の特徴をまとめました。

 

入所系 通所系
・規模が大きい

・経営が安定

・施設内で多職種が連携して仕事

・自治体は社会福祉法人が経営

・子どもは施設に入所している

・生活面のサポート

・経験豊富なスタッフが多い

・給与は高め

・勤務シフトは変則的

・新卒の職員もいる

・小規模

・児発管と児童指導員が少人数で仕事

・民間企業が経営

・子どもは通いで来所する

・レスパイト(保護者の休息)の側面も

・施設毎にサービスに特徴がある

・経験の浅いスタッフもいる

・中途入社、異業種からの転身も多い

・保護者への対応も求められる

・勤務シフトは安定的

 

主だった事業所について解説します。

 

乳児院

1歳未満の乳児(孤児)を入院させて養育する入所施設です。

厚労省の調査データによると、全国に132の乳児院があり、3,105人が入所しています。嘱託医、看護師、保育士、児童指導員、栄養士、調理員などが養育にあたっています。

 

児童養護施設

保護者のない、あるいは虐待されている児童など、環境上養護を要する1歳以上、18歳未満の児童を入所させる施設です。

厚生労働省のデータでは、全国615施設に、約30,000人の児童が入所、15,000人を超える児童指導員や保育士等が働いています。

児童福祉業界の求人サイトで国内最大規模のジョブメドレーで調べると、全国で214件の求人募集がありまあした。ほぼ3件に1件の割合で求人がある計算になります。(2022年8月時点)

 

障害児入所施設

身体障害児、知的障害児、又は精神障害児童を入所させて、保護、日常生活の指導及び自活に必要な知識や技能の付与を行う施設です。福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。

 

児童発達支援

障害児通所支援事業の一つであり、障害のある未就学児童に対し、日常生活の自立支援や機能訓練、幼稚園のような遊びや学びの場の提供といった、障害児童への療育を行います。

各地域における児童発達支援の中核的な役割を担う児童発達支援センターと、小規模・地域密着で通いやすい児童発達支援事業所の2つに大きく分かれます。

ジョブメドレーで調べると、児童発達支援センターで110件、児童発達支援事業所で1241件の求人募集がありました。それぞれ全国の事業所の約20%に相当します。(2022年8月時点)

 

放課後等デイサービス

障害児通所放課支援事業所の中で最も事業所の数が多いのが放課後等デイサービスで、約15,000施設が全国にあります。その名の通り、障害を持った18歳未満の就学児童が、放課後や学校休業日に通い、生活技能の向上や、学習支援、就職準備の支援を受けます。保護者の仕事中に子どもの安全な居場所を確保する一面もあります。

こちらもジョブメドレーで調べると、6270件の求人募集がありました。全国の事業所の約40%に相当、求人難であることが分かります。(2022年8月時点)

 

児童福祉業界の大手企業

リタリコ(LITALICO)

リタリコは東証一部上場の児童福祉業界の最大手企業です。障害福祉の分野で国内初の上場企業、「福祉=社会活動・ボランティア」といった私たちの思い込みを変えました。

児童発達支援や放課後等デイサービス、大学生等に向けた就労支援サービスと複数の事業を直営で展開しています。

 

コペル

幼児教室からスタートしたコペルは未上場ですが、事業所の数ではリタリコに引けを取らず全国展開しています。こちらも、児童発達支援と放課後等デイサービス、幼児教室などを経営しています。

幼児教室らしい2,000種類を超えるオリジナル教材が特徴です。

直営とフランチャイズの両方があるので、転職の際は注意しましょう。

 

その他の大手企業

放課後等デイサービスのこぱんはうすさくらを展開するオークニ商事(未上場)や、児童発達支援ハビーを展開するウェルビー株式会社(上場)等が、いわゆる大手企業にあたります。

 

これら4社については、こちらの記事で詳しく掘り下げて書いていますので、あわせてご覧ください。

児童発達支援・放課後等デイサービス 大手各社の求人情報まとめこちらは児童発達支援や放課後等デイサービスの障害児福祉業界で転職をお考えの方に書いています。 全国にあわせて約15000事業所ある...

 

児童指導員の仕事内容

児童指導員が、利用児童に対して、直接的に行う仕事内容は、およそ次の通りです。

学習支援 学校の宿題や授業の補足
創作活動 お絵描きや工作
音楽活動 歌や楽器演奏
運動 スポーツや体操、トランポリンなど
調理 お菓子作りなど
設定遊び スタッフのリードのもと行う遊び
自由遊び 児童がそれぞれで行う遊び(スタッフは見守り)
お話し 児童同士やスタッフと
テレビ等視聴 テレビやタブレット
散歩や掃除
食事・おやつ
リハビリ PTなどによる専門的訓練やリハビリテーション
昼寝
準備 隙間時間や準備時間

 

事業所により多少の違いがあるので、特徴的なパターンを書いておきます。

 

児童発達支援(平日・長時間)

◆主な仕事内容(平均時間4.8時間の構成比)

自由遊び 20.9% 食事・おやつ 17.6%
設定遊び 17.6% 準備 9.6%
体育活動 6.5% 音楽活動 2.5%

コミュニケーションスキルの獲得や、集団活動への慣れを目的に、グループで遊ぶ時間を多く取るようです。

スタッフの関わり方は、個別対応、直接対応の傾向が強いです。

 

児童発達支援(平日・短時間)

◆主な仕事内容(平均時間2.0時間の構成比)

準備 19.2% 設定遊び 16.0%
食事・おやつ 13.4% 専門的訓練 7.6%
自由遊び 9.0% 音楽活動 5.4%

短時間サービスは、より専門的な訓練や活動に重きが置かれます。

短時間とはいえ、勤務時間が短いということでなく、細かく区分された時間ごとに利用者が来園します。

「準備」の時間が多いのは、短時間利用のため仕方ない所です

 

放課後等デイサービス(平日・短時間)

◆主な仕事内容(平均時間1.9時間の構成比)

自由遊び 23.6% 準備 17.3%
食事・おやつ 10.7% 設定遊び 10.2%
学習支援 8.3% 運動 5.6%

放課後等デイサービスの平日は、学校帰りの一時的な預かりの側面が強いので、児童が自由に過ごす場を提供します

児童が学校へ通う時間帯に、児童発達支援(未就学児童対象)を行う、多機能型の事業所もあります。

スタッフの関わり方は、「見守り」が中心です。

 

放課後等デイサービス(土日・長時間)

◆主な仕事内容(平均時間6.8時間の構成比)

自由遊び 31.4% 食事・おやつ 15.3%
散歩や掃除 12.7% 設定遊び 9.0%
運動 6.1% 準備 5.5%

土日は多くの児童が利用します。

時間がたっぷりあるので、外に出て運動したり、遊んだりする時間も含まれます。

スタッフの関わり方は、「見守り」が中心です。

 

放課後等デイサービス(土日・短時間)

◆主な仕事内容(平均時間1.8時間の構成比)

設定遊び 24.2% 専門的訓練 19.3%
準備 14.9% 自由遊び 12.1%
運動 9.1% 創作活動 6.8%

土日を中心に、専門的なリハビリや、感性や表現力の向上を目的に、専門的な習い事教室(創作や音楽)を提供する事業所もあります。

スタッフの関わり方も、より個別対応の比重が増えてきます。

 

児童発達支援と放課後等デイサービスの仕事内容は同じでも、より直接的・個別的に児童を介助する児童発達支援、見守り中心の放課後等デイサービスとなります。

また、遊びや集団活動の場を提供する長時間サービス、専門的な訓練やサービスの提供に重きを置く短時間サービスと、時間によって仕事内容に特徴があらわれます。

 

転職や就職の時は、「未就学児か就学児童か」「遊び(見守り)中心か、専門的サービスか」、そんな視点で、事業所の求人情報をチェックしてみてください。

 

その他の仕事内容

児童への関わり以外にも、次のような仕事が出てきます。

保育所や学校と比べて、会議や保護者対応の時間が少ない印象です。その結果、残業が少ないことが、この業界の魅力の一つです。

保護者対応 幼稚園や学校との連携
支援計画の作成とモニタリング 会議やミーティング

 

児童指導員の研修制度は

一部の大手企業を除き、ほとんどの事業所の教育は、OJT(実地で学ぶ)が大半です。

唯一の研修制度と呼べるものは、児童発達支援管理責任者(通称:児発管)になるために自治体が開催する研修受講となります。

児童発達支援管理責任者になるための研修(基礎研修や実践研修)は、各都道府県で開催されて、ほとんどの事業所は、公休を使って積極的に研修受講させようとします。

研修は児発管(管理者)になるためのカリキュラムです。児童指導員のスキルや知識を学びたい方にはギャップがあるでしょう。

 

一方、大手企業の場合、社内で基本的なスキルや知識を学ぶ機会が多くありそうです。

先述のコペルでは、入社時研修や社内資格認定制度があり、例え児童指導員任用資格を持っていても、認定試験にパスしない限りは療育を担当できない仕組みになっています。

初めて児童福祉の業界へ転職される方には、研修制度の充実から大手企業をお薦めしています。

 

児童指導員の仕事環境

児童指導員の仕事環境は次の通りです。

職住接近

児童発達支援の事業所が全国に約6,000事業所、放課後等デイサービスが約15,000事業所です。各都道府県、人口の少ないエリアでも運営されています。

実際、人口あたりの事業所数では、北海道や沖縄の数が多く、大都市・地方都市に関係なく就職先を見つけられそうです。

 

児童指導員の通勤時間は、およそ20〜30分の方が圧倒的に多いようです。

子育て世代や、仕事と家庭の両立が求められる方には何より有難いですね。

 

女性中心

職住接近した児童指導員の仕事環境。その結果、児童福祉の業界は女性が活躍する職場になっています。

データがないため、これはあくまで私の感覚ですが、児童指導員の70〜80%程度は女性のようです。

 

きめ細やかなサービス

通常は児童10名に対し、3〜4人の児童指導員が配置されます。

指導員1人につき3名程度の児童を受け持つことになり、保育所や学校などと比べて、一人ひとりに寄り添いながらサービス提供できる仕事環境です。

 

残業が少ない

自治体から定められたサービス提供時間があり、1日の勤務時間は安定的で残業もほとんどないようです。

保護者の仕事にあわせ長時間子どもを預かる保育所、授業以外の雑務が多い教員、常に人手不足で働く環境が悪いと言われる介護職と比べ、格段に働きやすい職場です。

 

小規模な職場

これまでメリット中心に書きましたが、職場が小規模な点は、メリット・デメリット両面があります。

常に同じメンバーが狭い事業所で顔をあわせる距離の近さは、気心が知れてコミュニケーション不足になりにくい反面、息苦しさや時に人間関係の問題を抱えるケースもあります。

入居施設は大規模な事業所が多いので、主に通所施設の特徴になります。

 

児童指導員のキャリアプラン

児童発達支援管理責任者を目指す

最もオーソドックスなキャリアプランは、児童発達支援管理責任者を目指すルートです。

児童発達支援管理責任者は、障害児施設の中心的な役割を担い、児童個々の療育計画の作成や、幼稚園や学校、その他の障害児施設などの地域連携、児童指導員への育成・指導、事業所の管理を行います。

児童指導員が、児童発達支援管理責任者になるには、外部研修の受講と実務経験が必要です。

このあたりは、こちらの記事で詳しく書いていますので、あわせてお読みください。

保育士が児発管になるには? 注目の児童発達支援管理責任者を解説 このような保育士さんに耳より情報です。 児童発達支援管理責任者(児発管)とは、児童発達支援などの児...

 

公立施設へ転職する(地方公務員になる)

より仕事の安定性を求めるなら、自治体が運営する児童養護施設などの公立施設への転職をお薦めします。

ただし、公立施設で働く上では地方公務員の試験に合格することが求められます。

地方公務員の給与体系(安定性)と人員確保がしっかりしている強みがある反面、異動があり必ずしも希望通りにはなりません。

 

大手企業や大型施設へ転職する

大手企業が運営する施設や、児童発達支援センター等の社会福祉法人が運営する大型施設への転職により、給与面の安定性や福利厚生や研修制度の充実が期待されます。

 

専門性を追求する

児童指導員の仕事内容に書いたように、児童指導員の仕事は設定遊びや自由遊びの見守りが中心となります。

これはこれで大切な仕事ですが、専門性を高めたいなら、より専門特化したサービスを提供する事業所への転職をお奨めします。

障害児通所事業所には、音楽や絵画、創造性開発など、それぞれ専門分野に特化したサービス提供をする事業所が、都会を中心にあります。

 

独立開業する

児童指導員が独立して、事業所を開業することは不可能ではありません。

ただし、児童発達支援管理責任者を配置して自治体から指定を受けない限り、保険適用されないため、自費サービスとなります。

また初期開業でまとまったお金が必要なため、あまり現実的な選択とは言えません。

 

児童指導員の平均給与

少し古いデータになりますが、厚生労働省が平成30年に調査した児童指導員・指導員(約1000名)の平均給与は次の通りです。

 

◆職種別の平均給与(常勤)

平均年齢 平均勤続 平均給与
児童指導員・指導員 38.2才 5.9年 300,964円
児童発達支援管理責任者 47.2才 11.7年 374,513円

 

◆業種別の平均給与(常勤)

平均年齢 平均勤続 平均給与
障害児入所施設 36.6才 9.4年 366,692円
障害児通所施設 38.9才 5.7年 287,118円

 

◆雇用形態別の平均給与(常勤・非常勤)

平均年齢 実労働時間 平均給与
常勤社員 38.2才 158.1時間 300,964円
非常勤社員 46.7才 68.2時間 156,807円

 

同時期に調査した保育士322,905円より安く、ホームヘルパー277,220円より高くなりました。

また児童発達支援管理責任者の平均給与は、児童指導員より約2割、年収ベースで100万円程度高いことがわかります。

責任の重さ、社会的ニーズを考えると、児童発達支援管理責任者の給与は安いというのが、私の感想です。

児童発達支援や放課後等デイサービスの通所施設と、児童養護施設や乳児院の入所施設の平均給与は、かなりの開きがありますね。

先述している通り、自治体(地方公務員)や社会福祉法人が運営する入所施設の、経営の安定性による所でしょう。

一方で、常勤・非常勤では、約2倍の差がつきました。ただし時給ベースで計算すれば、非常勤の方が高く、時給は2,299円です。

常勤・非常勤の選択は、働き方による所ですので、どちらが良いかは一概には言えないです。

 

児童福祉業界の将来性は

通所施設の児童発達支援が約6,000事業所、放課後等デイサービスが15,000事業所は、全国隅々までサービスが行き渡っており、これ以上、数が増えることはなさそうです。

ちなみに放課後等デイサービスの事業所数は、ファミリーマートの店舗数とほぼ同数、随分と多いことが分かります。

 

管轄する厚生労働省は通所施設の質的向上を求めており、今後はサービスの専門性がより厳しく求められそうです。

期待するレベルに応えられない事業所の淘汰が始まります。

専門性が求められるという事では、事業所も児童指導員や児童発達支援管理責任者も同じです。

自治体が開催する研修体系や研修内容そのものも見直しがされ、より専門的、実践的なものに変わってきています。

 

児童発達支援管理責任者の将来性については、こちらの記事に詳しく書きました。

児童発達支援管理責任者の将来性が楽しみな2つの理由と2つの心配事児童発達支援管理責任者(通称:児発管)の将来性について検証します。 この記事を書く私は、人事コンサルタントして20年のキャリア、そ...

 

児童指導員の就職方法は

事業所の数と比べて、その数が足りていない児童指導員の就職は「売り手市場」です。

数が少なく、公務員になる必要のある公立施設への就職を除けば、総じてハードルは低く、年齢に関係なく、お住まいの近くで仕事探しが可能でしょう。

 

児童指導員の就職方法は、転職サイトで希望条件にあった施設を見つけて、自分で応募するのが一般的です。

転職サイトの中でも、特に保育系サイトが、児童指導員の情報が充実しています。

リクナビ等の総合転職サイトやハローワークは、意外と求人数が少ないです。

 

転職エージェント(人材紹介会社)を活用するのは基本的にお奨めしません。

というのも、エージェントは児童福祉業界の知識に乏しく、こちらの希望にあった求人を紹介するのでなく、エージェントが紹介したい求人を紹介する傾向にあるからです。

 

児童福祉業界のサービスは多岐にわたり、また求人の数も多くあります。

わざわざエージェントに頼むより、転職サイトで多くの情報の中から、自分の希望にあったものを自分で選びましょう。

 

保育系転職サイトの中では「ジョブメドレー」が一番のおすすめ。

ジョブメドレーは医療・介護・保育分野に特化した求人を展開するメドレーが提供する、求人案件数日本最大級の保育士専門サイトです。

 

全国の求人情報が掲載され、かつ児童指導員の求人情報が豊富です。

ジョブメドレーで検索すると、全国で8,500件を超える児童指導員の求人がありました。(令和4年8月時点)

これはダントツの求人数。

 

ジョブメドレーに登録しておけば、日本中の児童指導員の求人をカバーできるのではないでしょうか。

 

登録すると、お住まいの近くの児童指導員の求人情報や新着メール、スカウトメールが届きます。

 

転職エージェントにありがちな、面倒な電話もかかってこないので、おすすめですよ。

 

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(まとめ)就職先を間違わないために

子どもの健全な成長と自立を支援する児童指導員の仕事、社会からの必要性も高まり、注目の集まる仕事です。

保育士や教員免許をお持ちの方を中心に異業種からの転職も増えています。

しかし、児童福祉の業界には様々な仕事があり、いざ転職してみると、イメージしていたものと違うものになることも。

就職先を間違わないために、自分がやりたい仕事を明確にした上で、情報収集することが大切です。

やりたい仕事を明確にするためのチェックポイントを最後にまとめておきます。

 

職住接近型か遠方の勤務地か

主に子育て世帯の女性の場合、家から近い職場を選ぶ傾向にあります。

 

常勤か非常勤か

週40時間のフルタイム勤務の児童指導員の方が多いようですが、時間帯や曜日により忙しくなる特徴があるので、非常勤のニーズもあります。

 

入所系か通所系か

入所系と通所系では、その仕事環境や仕事内容は大きく変わります。

公立の入所系施設に転職する場合は、公務員試験に合格することも必要になります。

 

未就学児か就学児童か

放課後等デイサービス(就学児童)、児童発達支援(未就学児)は、子どもの年齢が違い、似て非なるサービスです。放課後デイと児発の多機能で行う事業所には要注意です。

 

見守り中心か教育系か

運動、音楽、学習などのテーマ特化型の教育系サービス、いわゆる「習い事のようなサービス」が増えています。自由に遊ばせる見守り中心の施設とは、事業の考え方やサービスが明らかに違います。

 

転職サイトか転職エージェントか

自分で応募する転職サイトか、エージェントが就職先を紹介してくれる転職エージェント。手間のかからないエージェントですが、希望の条件に合わないリスクがあります。

 

本日は、ここまで

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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