介護士(介護施設職員)の平均年収・平均給与データは、賃金構造基本統計調査にて毎年公表されています。
賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が昭和23年以来、毎年実施している調査で、母集団も多く、信頼性の高いデータです。
私自身も20年間、人事コンサルタントとして企業の賃金制度策定では、必ず調査データを参考に、クライアント企業の望ましい給与水準を決めていましたので、すごく馴染みのあるデータです。
今回は、最新版2019年度(2018年調査分)の介護職員(正規職員)の給与水準データを紹介します。
介護業界で転職活動をするうえで、いまの自分の年収額、転職を考えている施設の提示額を検討する上で、参考にしてもらえればと思います。
この記事を書いているのは2020年1月ですが、今年の秋には2019年のデータが公表される予定です。
介護施設職員(男性)の平均年収・平均給与
まずは全体平均です。
対象:約28万人
平均年齢: 39.0才
勤続年数: 6.8年
平均月給:25万4,700円(残業5時間)
平均年収:363万5,400円
平均月給は給与明細に書かれた額面金額です。税金や社会保険料を引いた手取り額ではありません。平均月給の中には残業代をはじめ、通勤手当を除く諸手当が含まれています。
年齢別の月給と年収です。
年齢 | 月給 | 年収 |
23 | 220,980 | 3,039,530 |
24 | 225,940 | 3,131,390 |
25 | 230,900 | 3,223,250 |
26 | 235,860 | 3,315,110 |
27 | 240,820 | 3,406,970 |
28 | 245,010 | 3,481,350 |
29 | 248,430 | 3,538,250 |
30 | 251,850 | 3,595,150 |
31 | 255,270 | 3,652,050 |
32 | 258,690 | 3,708,950 |
33 | 261,230 | 3,752,870 |
34 | 262,890 | 3,783,810 |
35 | 264,550 | 3,814,750 |
36 | 266,210 | 3,845,690 |
37 | 267,870 | 3,876,630 |
38 | 269,320 | 3,899,450 |
39 | 270,560 | 3,914,150 |
40 | 271,800 | 3,928,850 |
41 | 273,040 | 3,943,550 |
42 | 274,280 | 3,958,250 |
43 | 274,950 | 3,969,240 |
44 | 275,050 | 3,976,520 |
45 | 275,150 | 3,983,800 |
46 | 275,250 | 3,991,080 |
47 | 275,350 | 3,998,360 |
48 | 273,520 | 3,965,920 |
49 | 269,760 | 3,893,760 |
50 | 266,000 | 3,821,600 |
51 | 262,240 | 3,749,440 |
52 | 258,480 | 3,677,280 |
53 | 256,150 | 3,633,920 |
54 | 255,250 | 3,619,360 |
55 | 254,350 | 3,604,800 |
56 | 253,450 | 3,590,240 |
57 | 252,550 | 3,575,680 |
58 | 248,830 | 3,519,480 |
59 | 242,290 | 3,421,640 |
60 | 235,750 | 3,323,800 |
30才くらいから少しずつ上がり、47才でピーク(年収で約400万円)を迎えて、そこからまた少しずつ下がっています。
1億総活躍社会で安倍内閣が描いた、ベテラン介護士の平均年収440万円と比べて約1割低い。逆に言えば、安倍内閣は介護士の平均年収を10%上げようとしている事が分かります。
介護士の期待年収440万円については
介護施設職員(女性)の平均年収・平均給与
次に女性の全体平均です。
対象:約50万人
平均年齢: 43.5才
勤続年数: 7.2年
平均月給:23万1,400円(残業4時間)
平均年収:326万3,800円
母集団(対象者数)は男性の2倍近く、介護業界を支えているのは女性であることがデータからも分かります。
男性と比較して平均年収で35万円ほど低く、男女の給与格差があります。
男女平等とは言われますが、介護業界においても、給与面で男女不平等があることは、間違いのないことです。
一般的に日本企業の賃金制度は、家族手当や住宅手当など、世帯主(男性)に手当が支給されるケースが多く、制度そのものも男性優位である上に、制度では表に出ない格差も存在します。
これは給与の決定要因として、需要と供給のバランスがあるため、労働者数の多い、女性の給与が低くなることもあるでしょう。
年齢別の月給と年収です。
年齢 | 月給 | 年収 |
23 | 220,760 | 3,059,430 |
24 | 224,080 | 3,124,090 |
25 | 227,400 | 3,188,750 |
26 | 230,720 | 3,253,410 |
27 | 234,040 | 3,318,070 |
28 | 235,650 | 3,351,950 |
29 | 235,550 | 3,355,050 |
30 | 235,450 | 3,358,150 |
31 | 235,350 | 3,361,250 |
32 | 235,250 | 3,364,350 |
33 | 235,240 | 3,364,640 |
34 | 235,320 | 3,362,120 |
35 | 235,400 | 3,359,600 |
36 | 235,480 | 3,357,080 |
37 | 235,560 | 3,354,560 |
38 | 235,840 | 3,355,580 |
39 | 236,320 | 3,360,140 |
40 | 236,800 | 3,364,700 |
41 | 237,280 | 3,369,260 |
42 | 237,760 | 3,373,820 |
43 | 237,970 | 3,375,440 |
44 | 237,910 | 3,374,120 |
45 | 237,850 | 3,372,800 |
46 | 237,790 | 3,371,480 |
47 | 237,730 | 3,370,160 |
48 | 237,150 | 3,362,430 |
49 | 236,050 | 3,348,290 |
50 | 234,950 | 3,334,150 |
51 | 233,850 | 3,320,010 |
52 | 232,750 | 3,305,870 |
53 | 232,720 | 3,304,170 |
54 | 233,760 | 3,314,910 |
55 | 234,800 | 3,325,650 |
56 | 235,840 | 3,336,390 |
57 | 236,880 | 3,347,130 |
58 | 235,500 | 3,319,160 |
59 | 231,700 | 3,252,480 |
60 | 227,900 | 3,185,800 |
男性が年齢と共になだらかなカーブを描き、46才でピークを迎えるのに対して、女性の平均年収・月給は、年齢による差がほとんどありません。
平均データだけみると、ほとんど年齢や経験によって昇給していない訳で、これで働く側のモチベーションや責任性を高めることが出来るのか疑問です。
要因としては、男性の場合は理職への昇格により昇給しているのに対し、女性の管理職や役職者が少ないため、そのような結果になっているのでしょう。
女性の多い職場でありながら、女性が活躍できる職場となっていないのが、業界全体の課題ではないでしょうか。
ケアマネージャー(介護支援専門員)との年収比較
40才の時点で、ケアマネージャーとの平均年収を比較してみました。
介護施設職員 | ケアマネージャー | |
男性 | 392万8,850円 | 422万8,700円 |
女性 | 336万4,700円 | 370万5,500円 |
男女共に、約30万円の年収差があります。
この年収差が妥当なのかどうか。
ケアマネージャーの合格率は18%、実務経験(介護福祉士として5年以上など)の資格取得の難易度を考えると、もっと差があっても良いのかなとも思います。
合格率の低さと関係しているのか定かではないですが、これでは資格取得のモチベーションがわかないですよね。
特にケアマネージャーは、高齢者とその家族からの相談を受けて、各所との連携や調整を行う仕事、一般的に女性の適性が活かせる仕事だと思うので、もっと優秀な女性がケアマネージャー資格にチャレンジするような世の中になればと思います。
転職の時に役立つ、ケアマネージャーや介護資格について
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