企業が出口戦略を考える時代にサラリーマンのキャリアプランを考えてみました。
キャリアプランは時代環境が変われば、その考え方も変えるべき。
あなたの所属する企業がある日突然に事業を辞める、そんな事が起こる得る時代です。
この記事では、企業が出口戦略を普通に取り出した時代に、転職せずに出口を準備することの重要性について書いています。
この記事で書いていること
・企業が普通に出口を考える時代になった
・企業が出口を考えているのに、社員が出口を考えないのはリスク
・企業が出口戦略をとる時代のキャリアプランの考え方
・転職せずとも、出口は準備しておこう
書いている私は人事コンサルタントとして20年のキャリア。その後は事業会社で役員をしています。
普段、経営者と仕事をする機会が多く、彼らの意識が変化していることを肌身に感じている立場から記事にまとめてみました。
企業が出口を考える時代
話はそれますが、出口をイメージするのに分かりやすい例だと思うので。
私は3LDKのマンションに住んでいます。妻はリビングと横の和室をつなげて広くしたがるのですが、私は反対しています。
2LDKにリフォームすれば、マンションが売りにくくなるのではと考えているからです。
出て行く時の事(=出口)を想定して、暮らしています。
企業の出口戦略とは
・サービス撤退
・規模縮小
・売却・事業譲渡(M&A)
・解散
このような段階に分かれそう。
企業は生き物なので、生かしはするけど、エサもやらない、水も与えない「飼い殺し」も一種の出口戦略です。
企業は出口戦略を当たり前に考えている

経営者と話をしていると「出口」とか「EXIT」とか、そんな言葉が普通に使われるようになってきました。
10年前でさえ、こんなに使われてはいなかったと記憶しています。
私の周りでも、立ち上げた会社を大企業に売却し、20代にして億単位のお金を手にした経営者がいます。
またある社長と提携話を進めていた矢先、「会社を売ることにしました」と突然連絡。
前日に「1000億円企業になるため力を貸してください!」と熱く語っていたのにです。
騙しのようですが、社長の頭の中には、「1000億円企業にする」ことと、「売却してリタイアする」ことは、どちらもリアルに存在したのでしょう。
なんとなく気持ちは分かったので、不思議と怒りはおこりませんでした。
企業が出口戦略を考える背景
背景としては次の3つ。
事業を存続し続けることの難易性が上がった
技術の進化は早く、国境を超えてライバル企業が出現し、ネットを通じて情報が行き渡り世の中のニーズは変化しやすく、事業を継続することが昔と比べて、各段に難しくなりました。
世の中の価値観の変化
「途中でやめることは恥」という価値観が無くなってきたように思います。
ZOZOの前澤元社長のように、自分が立ち上げた会社をアッサリと手放し、また次のステージにチャレンジすることが「カッコいい」、先細る既得権益にしがみつく老害を「カッコ悪い」と思う価値観の変化です。
M&Aサービスが当たり前になった
企業の売買を仲介するM&Aサービスが当たり前の時代になりました。
インターネットを介して、まるでメルカリでTシャツを売り買いするのと同じように、企業が売買されています。

続けることが難しくなり、途中で辞めることに社会が寛容になり、気軽に売買できるプラットフォームが整備されれば、それは誰しも出口を考えた企業経営を考えます。
社員が出口を考えないのはリスク

企業が出口を普通に考える時代になりました。
あなたの会社の役員会でも、着々と出口が検討されているかもしれませんよ。
厄介なことに、M&Aの鉄則は「誰にも気づかれず、完全水面下で進める」こと。
社員への発表は、M&Aが実行された日と同時です。
企業が出口戦略を取ってから将来のキャリアを考えているようでは、手遅れになります。
企業が出口を取ることで想定されるリスク
出口にもいろいろとあるので、その内容により想定されるリスクはまちまちです。
出来ることが少なくなる・無くなる
事業縮小時のリスクです。
使える広告宣伝費や開発費の予算が削られる、これまで自身で決済できたことが上司の決裁が必要になる、新しい提案が通らなくなるなど。最初は気付かぬくらいのレベルから、徐々に出来ることに制限を受け、最終的には飼い殺し状態です。
畑違いの職種転換
こちらも事業縮小時のリスクです。
これまでのキャリアが全てリセットされるような職種への転換もあるでしょう。
20代なら新しい分野で再スタートを切ることもできますが、40代以上からのゼロリセットではキャリアの終焉を意味します。
報酬が下がる
M&Aで違う会社へ吸収された時、これまでの給与体系とは違う評価で処遇されます。成果報酬の給与体系により、報酬が一気に下がるリスクもあるでしょう。
仕事を失う
会社が倒産・廃業してしまえば、その日から職を失ってしまうことになります。
そうでなくても、事業縮小にともなう希望退職という名の肩たたきで職を失うリスクも。
こうして考えると、安泰と思ったサラリーマンの地位も、自分が思うほどに安定している訳ではないのが分かります。
一度変化が起これば、それに抗うことはできません。
企業と比べ、サラリーマンの立場は弱いです。
企業が出口戦略を取ることも見越した上で、自身のキャリアプランを考える必要がありそうです。
企業が出口戦略を取る時代のキャリアプラン
キャリアプランを考える前提
・企業は出口戦略をとりだした(終身雇用は無し)
・変化のスピードが速く、技術はすぐ陳腐化する
・企業が副業を認めだした
・脱ブラックにより17時以降に自由時間が生まれる
この前提をもとに私が考えるキャリアプランは次の通り。
8~10年を1つのキャリア期間としてとらえる
期間はさらに「Input2年」「Output5年」「Exit1年」に分解されます。
それぞれを解説します。
・Input(2年)
準備期間のこと。
新しい技術や知識の習得期間です。単に学校に通うという訳でなく、新しい分野にチャレンジしているテスト期間も含みます。
・Output(5~7年)
本番期間のこと。
仕事で成果を出す期間です。期間は人や職種により違うでしょう。
期間内に産み出す価値を最大化することが、次のキャリアを決定付けます。
価値は金額換算できるものもあれば、できない種類のものもあります。
いずれにせよ「会社の中の価値」でなく、社会の人からみても分かる「市場価値」である必要があります。
・Exit(1年)
出口期間のこと。
これまでのキャリアを整理し、新しいキャリアへ向けてアクションを起こす期間です。
アウトプットしつつ次のキャリアのインプットを進める
Output期間で仕事の成果を出しつつ、同時に次のキャリアの準備を進めます。
次のキャリアを考えるときのポイントは、いまのキャリアと新しいキャリアを「つなぐ」考え方です。
そうすることで、キャリアが「足し算」でなく「掛け算」となり、あなたの市場価値が大きくなります。
掛け算になる「キャリアのつなげかた」は、「職種」か「業界」をずらすことです。
・職種を変えずに、業界をずらす
・業界を変えずに、職種をずらす
この2つの考え方です。
業界をずらすなら、「より将来の成長」が見込める業界へ。
職種をずらすなら、「より専門的で高年収」が見込める職種です。
出口は転職とは限らない
出口とは本番期間中に産み出した市場価値を算定し、キャリアの整理・総括をする期間です。
転職活動を伴う場合もあれば、伴わない場合もあります。
同じ企業にいても、次のステップを考える時期は必要です。
この作業は、企業の出口戦略からあなたのキャリアを守ることになります。
転職しない出口の作り方

企業が出口戦略を取った時に対応できる準備を、出口期間でしておきましょう。
例え転職しなくても、次のキャリアのインプットを進めつつ、いまのキャリアの出口を作っておくことがおすすめです。
転職を伴わない出口の事例です。
・転職エージェントでキャリアの総括
・ その分野をブログやYouTube、SNSで発信
・ 副業でスモールビジネスを立ち上げる
転職エージェントでキャリアの総括
自分のキャリアを市場価値で評価すること。
口で言うのは容易いですが、実際に評価するのは難しいです。
そこで私のおすすめは「転職エージェント」に相談することです。
将来の転職のために相談するのでも良いですし、相談するなかで「やっぱり転職しよう」と考えが変わるかもしれません。逆に今は転職せずに「いまの会社でしばらく頑張ろう」となるかも。
中立なプロの転職エージェントに、あなたのキャリアを診断してもらい、どれくらいの市場価値があるのか、希望の職種や業界に転職可能なのか、年収は幾らくらいになるのかを確認してみましょう。
健康診断を受ける感覚ですね。
転職エージェントは次のような大手に相談するのが無難です。
20代、30代、40代、それぞれ得意とするエージェントに相談しましょう。
業界最大手。全体の約90%が非公開求人です。年齢にかかわらず転職初心者は、まずはこちらを登録しておけば無難です。
こちらも大手転職エージェント。若手第2新卒向けの営業系求人が多数なので、勢いのある企業に巡り合うチャンスが多いです。
関東エリア(東京・神奈川・埼玉・千葉)の優良企業の求人が豊富です。こちらは20~30代中心です。
管理・専門職、ミドル・ハイクラス向けの高年収層(年収600万円以上)に特化した転職エージェントです。40代以上なら、こちらででしょう。
その分野をブログやYouTube、SNSで発信
自分がこれまで得てきた経験や知識をインターネット上に配信することも、キャリアの棚卸です。
その企業で知り得た独自の情報を公開すると守秘義務の問題があるので、その内容は注意が必要です。
インターネットの良いところ(悪いところでも)は、月間のページビューや視聴回数、フォロワー数など、配信したアウトプットに対する結果が明確なことです。
こう書くと、ネット上の結果と情報の価値は一致しないと言う方も出て来そうです。
確かにそれも一理ありますが、ページビューが多い、視聴回数が多い情報は、価値があると考えて間違いないです。
その証拠に、ページビューの多いブロガーや、フォロワー数の多いインスタグラマーには、企業から多数のヘッドハンティングが舞い込むと言います。
価値は自分で判断するのでなく、市場が評価してくれるものです。
副業でスモールビジネスを立ち上げる
副業が解禁された時代です。
これまで得た経験やスキルを用いて、副業としてスモールビジネスを立ち上げるのもひとつです。
この場合も守秘義務や利益相反行為の禁止に注意をしつつですが。
例えば、仕事で得たBtoBウェブマーケティングのスキルを使って、個人のフリーランス向けにコンサルを立ち上げるとか、ターゲットを横にずらすことが賢明。
始め方はいたって簡単。
インターネット上にサービスサイトを立ち上げれば、それでスタートできます。
まずは一歩踏み出してみることです。
私自身も過去にしていたコンサルタントの経験を活かして、個人向けのコンサルサービスを副業でしています。
月の売上が5~20万円程度の小さなビジネスですが、自分の経験を必要とする方へ安価で提供できることは社会的に価値があると思いますし、私自身にとってもスキルの棚卸ができて良いです。
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今日は、これくらいで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。