介護事業を運営する私が、本音でおすすめできる介護士さん向け転職サイトを解説します。
ぶっちゃけ介護士の転職サイトは無駄に数が多いです。「電話がしつこい」「担当がいい加減」「ブラック企業を紹介された」など評判の悪い転職サイトも多い。数が多いので、生き残りで必死なのかも。逆効果に思いますが。
そもそもブラックとか給料安いとか印象のよくない介護業界が、入口の転職サイトまでこの有り様では、業界全体の信頼を失くしてしまいます。

この記事は初めて介護業界へ転職しようという方へ、不安なく転職活動いただきたい、そんな思いで書きました。
慢性的な人手不足の業界に、新しい人材が増えるのは大変喜ばしいことです。業界全体の事を考えれば大変ありがたい。
その一方で、冒頭に書いた現状も事実。せっかく来た人材が、「評判通り、二度と介護はやらない」と思うのか、「やりがいがある」と働き場所を見つけてもらえるのか、この分かれ目はすごく大事。
だから本記事では、介護業界の転職で間違った判断をしないため、正しい転職サイトの選び方を書いていきます。ストレートに言わしていただくと、「騙されないように」お願いします。
この記事の中では、
・おすすめできる介護士の転職サイトを2つ
・2つ以外の介護士の転職サイトがおすすめできない理由
・おすすめ介護士の転職サイト2つを評価しているポイント
この順に書いて参ります。
【結論】おすすめできる介護士の転職サイト(介護求人サイト)
・介護求人【ジョブメドレー】
・介護求人ナビ
の2つをおすすめします。
評価している点は、評価していないサイトの逆と考えて頂ければ良いので、先になぜその他はおすすめ出来ないのかを書きたいと思います。結論だけで「納得!」なら、このあと特に読む必要はないかもしれませんね。
(追記)
2020年9月、おすすめを「介護求人パーク」より次点の「介護求人ナビ」に変更しました。変更理由は「介護求人パーク」の運営会社が変わりサービス内容が変わりました。
2022年6月、「マイナビ介護」をおすすめから除外しました。転職サイトと転職エージェントのサービス選択が可能である点を評価していましたが、口コミ情報より転職サイト利用者への営業電話があると判断したためです。
SNSで見かけたリアルなマイナビ介護の口コミです。
マイナビ介護?マイナビってなんでこんなに電話しつこいの!?
マイナビ介護って、何者? 懲りなくメール、電話を掛けて来る。
2つ以外がおすすめ出来ない理由
転職エージェント系のサイトは使わない方がいい
最大手「リクルートエージェント」のHPより、転職エージェントについて抜粋します。
転職エージェントとは
転職を検討している方と採用を考えている企業の間に立って、転職成功を支援するサービス。求人動向や転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが、求職者の転職活動をサポートします。
転職エージェントの概要
転職を検討している方に対しては、仕事の条件や希望を確認し、保有している求人情報の中から経験や希望に合う企業を紹介。仕事選びから入社までをバックアップします。転職エージェントには転職支援のノウハウが蓄積されているため、自力で求人を探し応募するよりも転職成功の可能性が高まり、また、採用に悩んでいる企業にとっても、適切な募集を行うことができるため、採用成功に近づけることができます。
企業と転職者をマッチングするのが転職エージェントのサービスです。一方、転職サイトは、勤務地、年収、福利厚生など、希望する条件を基に自分で求人を検索できるサイトのこと。
転職先を紹介してくれるのが転職エージェント、自分で探して応募するのが転職サイト。同じ人材サービスですが、似ているようで違いがあります。
至れり尽くせりで、一見よさげな転職エージェントですが、私は介護業界においては転職エージェントを信用していません。転職サイトを使うべきというのが私の基本スタンスです。
介護系の転職エージェントをお薦めしない理由は3つです。
・介護系の転職エージェントは本気であなたの事を考えない
・転職エージェントを使う介護企業には問題が多い
・介護系のエージェントからの電話が本当に鬱陶しい
それでは、1つずつ解説していきます。
介護系の転職エージェントは本気であなたの事を考えない
転職エージェント系サイト「カイゴワーカー」には、現在10万件を超える転職情報が掲載れています。対してマッチングを担当するキャリアアドバイザーはなんと24名。若干の誤差はあるでしょうけど、それにしても・・・。
10万件にのぼる、それぞれの情報をどれくらい把握しているか?言わなくても分かりますね。
転職エージェント系のサイトは掲載無料、マッチング(採用)が成立すると報酬を支払う仕組みになっています。私の会社にも営業マンやってきて、「費用もかからないので、とりあえず掲載しておきます?」と言って帰ります。
たったこれだけ。もう翌週から掲載開始です。
転職エージェントを使う介護企業には問題が多い
転職エージェントの料金は成功報酬です。紹介した人が入社すると、その人の年収の2割から3割の「紹介料」がかかります。本来なら払う必要のない余分なコストです。
余分なコストをかけてまでエージェントに任せるかというと、「自分たちでは採用できない」、あるいは「切羽詰まった状況にある」からです。
介護施設側に何かそうなる原因があるはずです。
介護系のエージェントからの電話は本当に鬱陶しい
エージェントに登録すれば、毎日のように電話がかかってきます。
理由は簡単。マッチング(採用)が成立することでエージェントにお金が入るから、とにかく早く売り飛ばしたいのが本音。朝も、昼も、夜も。日中は仕事をしているから出られないと言ってもお構いなし。

逆に、売る商品(皆さんの事)が充分にある時は、こちらから連絡しないと、全く電話がかかって来ない時もあります。
営利企業ですから当然かもしれませんが、転職エージェントは自分達の利益のために動きます。
これでまず「転職エージェント系のサイト」は外れました。
業界未経験者には派遣系の介護転職サイトもおすすめ出来ない
介護業界にも派遣社員を募集する転職サイトも多くあります。
介護士の転職サイトが本当にヒドイと思うのは、そのサイトが「エージェント系」なのか「派遣系」なのか、いわゆる普通の「転職サイト」なのか、一見しても判別がつきにくいこと。
人材派遣系転職サイトの特徴は、サイトの運営会社が人材派遣会社も経営していること。自分達の派遣登録者数を増やす、そのために転職サイトを運営しているのが実態です。
人材派遣系の転職サイト・・・「かいご畑」「介護求人パーク」など
知らずに登録すると、本人の意とは関係なく、派遣会社から連絡が来るなんてこともあるので注意してください。
特に業界未経験の人に介護派遣をお薦めしない理由は3つです。
・派遣先がどこになるか分からない
・派遣を使う介護施設こそ人に困っている所が多い
・派遣先でそれなりの扱いしかされない。仕事を憶えられない。
これも1つずつ見ていきましょう。
派遣先がどこになるか分からない
希望は言えますが、派遣先はどこになるかは分からない面があります。
派遣には「釣り広告」があります。介護業界に限った話ではありませんが、人をおびき寄せるための広告だから「釣り広告」。

最高の募集条件で派遣社員を集め、実際に面接を受けにいくと、「あの募集は決まってしまった」と、別の仕事を進められます。半分騙しのような手法が、社会的に問題になっているにもかかわらず、依然として存在するのが介護派遣業界です。
派遣を使う介護施設こそ人に困っている所が多い
これもエージェントの時に話した内容と同じです。私の会社でもそうですが、派遣は最後の手段です。
介護の派遣社員は高コストで戦力化できないので、出来れば正社員やパート社員の方が良いのです。
それでも社員が採用できない、働いていた社員が急に辞めた、だから派遣を選択します。慢性的に採用できない、すぐに社員が辞める、そんな会社が派遣社員を使うのです。
派遣先でそれなりの扱いしかされない。介護の仕事を憶えられない
真面目な話をすれば、介護施設は高齢者の人命を預かる仕事、現場で働く私の部下に言わせれば、「派遣社員には任せられない」のです。
それでも人手不足もあり、派遣社員はやってきますから、仕方なしに仕事はさせますが、「仕方なしの仕事=補助的な仕事」しかさせられません。
余計な仕事をしなくて良いのが派遣社員のメリットという声も一部にありますが、未経験で飛び込んだ業界の最初の仕事がそれでは、ずっと中途半端なまま仕事をする人材になってしまいます。
それで良いなら、派遣も選択肢。否定しません。
また、派遣登録と同時に派遣会社が運営する介護資格学校に通わせてくれて、資格取得ができるサイトもあるので、業界未経験者でもそれは1つの方法だと思います。
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これで「派遣会社系の転職サイト」は外れました。
まとめサイトで高評価の介護転職サイトは本当は高評価でない
「介護転職 おすすめ」「介護転職サイト 口コミ」などで検索すると、まとめサイトが上位表示されます。「介護転職サイトの口コミ・評判まとめ」などが、それです。

まとめサイトで「オススメ」と紹介されている介護転職サイトは、オススメできません。
理由は2つです。
・まとめサイトは介護転職サイトからの広告費で運営されている
・まとめサイトを書いている人は介護業界を知らない
まとめサイトは介護転職サイトからの広告費で運営されている
ご存知の方も多いでしょうが、まとめページはアフィリエイトサイトと言い介護転職サイトからの広告費で運営さています。
つまり転職サイトが広告スポンサーです。
まとめサイトにとって良い転職サイトとは、広告費用をたっぷり払ってくれるサイトであり、それは良い情報を掲載している転職サイトと、必ずしもイコールではありません。
実は「まとめサイト」の口コミ情報は、ほぼ嘘情報です。
良くて、サイト経験者、介護業界の経験者に報酬を払って経験談を書かせています。お金を貰えば、なかなか悪口は書けません。
でもこれは良心的なもので、悪質なものの中には転職サイトを利用したことも無いような主婦やアルバイトに、安い報酬(1口コミ100円程度)で、適当に口コミを書かせています。
こうなると騙しですね。介護業界全体の信頼性を貶める、恥ずべき行為です。
まとめサイトを書いている人は介護業界を知らない
中には業界経験のある書き手もいるでしょうが、多くの場合、まとめサイトを作っているのはプロのアフィリエイターであり介護業界とは無関係です。
記事を書くにあたって転職サイトを取材している事は皆無ななずで、彼らはGoogleでいかに上位表示させるか、その1点のみを考えて記事を書いています。
ちなみに、大抵のまとめサイトの「口コミ・評判」は実際には存在しない嘘情報です。気をつけてください。
このサイトも企業からの広告費でもって運営している事を考えれば、上記まとめサイトと同類かもしれませんが、同じ業界で生きる人間の責任として、出来る限り正確な情報を伝えたいと考えています。
おすすめ介護士の転職サイト2つを評価しているポイント
私がおすすめする介護転職サイトは、純然たる「転職サイト」が大前提です。

転職エージェントや派遣会社に頼らず、自分の力で気になる施設を見つけ、応募してみてください。決して、ハードルの高い話ではありません。
介護求人ジョブメドレー
評価ポイントは
・掲載情報数が多いこと
・検索機能で好みの情報にたどり着きやすい
・営業電話がない
・新着やオススメ施設のメルマガが充実
・事業所からスカウトメールが届きます(無視ももちろんOK)
の5点です。
逆にデメリットは
・採用意欲の低い施設まで掲載している
掲載無料であることの弊害です。
詳しくは、こちらの記事を読んでください。

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介護求人ナビ
評価ポイントは
・転職者にとって役立つ情報が多い
・有料掲載のため掲載会社の採用意欲は高い
逆にデメリットは
・特に地方は掲載数が多くない
詳しくは、こちらの記事を読んでください

今回は以上です。
今回の転職活動が、皆さんにとって良い結果となることを祈ります。